2019年10月15~17日にかけて、ハンガリー・ブダペストにおいて、ハンガリー政府主催・アーデル・ヤーノシュ(Ader Janos)ハンガリー大統領後援の「ブダペスト水サミット」が開催されました。ブダペスト水サミットには、カンボジアのフン・セン首相、及び、インドのガジェンドラ・シン・シェカーワト水活用(Jal Shakti)大臣を含む、118か国から約2500名が会合に参加しました。
ブダペスト水サミット2019は、「水危機の阻止」というテーマのもと、上記各国政府高官等が、ステートメントを述べました。また、10のセッションが開催されました。各スピーカーやパネリストは、既存の科学的知見や規制・制度、技術、資金的ギャップを認識しつつ、新たに発生している水危機をどうやって避けるか、避けることができない危機をどうやって管理していくか、事例を紹介しつつ議論を展開し、参加者と意見交換を行いました。
≫各セッションサマリーはこちら
ブダペスト水サミット2019成果文書「ブダペスト・アピール(Budapest Appeal)」
閉会式において、ブダペスト水サミット2019の成果文書である「ブダペスト・アピール」が、「ブダペスト水サミット2019プログラム・成果文書ドラフト国際議長」であるAndrás Szöllősi- Nagy氏により紹介されました。
「ブダペスト・アピール」は、国連気候変動枠組み条約や、第9回世界水フォーラム、持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラムといった国際フォーラムを考慮しつつ、各国政府が水の安全保障の向上に向けた優先分野を認識してもらい、技術者等とともに、課題解決に取り組む政治的意思を向上していくことを目的として、具体的な提言や解決策を列記した文書です。
「ブダペスト・アピール」は、まず、「我々は何をする必要があるのか “What We Need to Do?”」という問いかけのもと、4つの事項が提案されています。
次に「それをどうやって行うのか“How We Can Do It?”」という問いかけのもと、6つの事項が提言されています。
≫ブダペスト・アピールの全文はこちら
おわりに
日本水フォーラムは、2020年10月19-20日に熊本市で開催する「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」に向けて、着々と準備を進めています。
「ブダペスト・アピール」や第9回世界水フォーラムにおける議論の動向を見据えつつ、4th APWSでは、アジア・太平洋地域の質の高い成長を目指して、アジア・太平洋地域の水関連持続可能目標の達成に寄与しうる健全な水循環管理や、質の高いインフラ整備の推進に焦点を当てます。アジア・太平洋地域ならではの水課題解決に向け、先進的な取組みや解説策をアジア・太平洋地域の首脳等に共有し、各現場において、さらなる具体的行動や地域連携を促すことを目的とした成果文書を発信する次第です。
ひき続き、皆様のご教示、ご指導をどうか宜しくお願い致します。
会場外観(Millenáris Park) |
Session 8でモデレーターを務めるAPWF議長ラビ・ナラヤナン | Session 9の様子 |
(報告者:マネージャー 朝山由美子)