第68回利根川水系連合・総合水防演習が5月18日(土)、栃木県足利市五十部町地先で開催されました。水防演習は日本の水防技術伝承と防災意識向上を主な目的とし、国土交通省、流域の都道府県、開催市によって年に一度、出水期前に全国各地で開催されているものです。水防団、地域住民、防災関係者を中心に例年多数の方々が演習に参加し、中でも利根川水系連合・総合水防演習は我が国最大の規模で行われています。
日本水フォーラムは、日本の水災害の経験と教訓、地域住民による伝統的な水防活動等を世界に発信するべく、在京大使館・国際機関の方々等を対象とする「水防演習ツアー」を、2006(平成18)年から実施しています。今年は、エチオピア特命全権大使、コンゴ共和国特命全権大使、モザンビーク臨時代理大使をはじめとする、13カ国、20名の在京大使館関係者の方々にご参加いただきました。
また、水防演習会場の出展エリアでは、日本水フォーラムのブース出展を行いました。本年は水に関するクイズを実施し、一般の来場者の方々や演習参加者に世界の水事情について理解いただくとともに、SDGsと日本水フォーラムの取り組みを紹介しました。参加者の長蛇の列ができるほど好評でした。
日本水フォーラムは、水防演習における日本の伝統的な技術、官民連携による防災体制等を視察するツアーを通じて、日本の叡智の世界への発信を行い、世界の水防災レベルの向上に貢献してまいります。
「第68回利根川水系連合水防演習」概要
日時 | 2019年5月18日(土) |
会場 | 栃木県足利市五十部町地先 |
主催 | 国土交通省、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、足利市 |
水防演習概要 |
開会式 演習第1部:水防訓練(水防工法、避難勧告広報訓練、住民の水防活動支援、 演習第2部:救出・救護訓練 閉会式 |
参加者数 | 約16,000人(演習参加者及び一般見学者等を含む)) |
「水防演習大使館ツアー2019」概要
開催目的 | 在京大使館・国際機関の関係者の方々に日本の伝統的な水防活動の視察、及び体験をしていただき、日本の水防災を発信すること |
ツアー内容 | 水防演習の視察と体験(水防訓練視察及び救護訓練の視察、土のう作りや縄結びの工法体験 渡良瀬遊水地及び地震大国日本における耐震対策工事の視察 |
参加者 | エチオピア特命全権大使、コンゴ共和国特命全権大使、モザンビーク臨時代理大使を含む13カ国、計20名の大使館・国際機関関係者 (参加国:エチオピア、コンゴ共和国、モザンビーク、イラク、インド、インドネシア、ブラジル、フランス、メキシコ、モルディブ、モルドバ、ルーマニア、ロシア) |
演習の視察後は、渡良瀬遊水地を訪問しました。渡良瀬遊水地は、栃木、群馬、埼玉、茨城4県の県境にまたがる、広大な遊水地です。利根川中流部に位置し、この下流の地域には多くの資産が集中することから、治水の上で大きな役割を果たしています。渡良瀬遊水地では、耐震工事中のポンプ施設を見学し、重要施設の耐震対策や水量の調整について総合的に学ぶことができました。
参加者からは、水防技術の継承や伝統的な知恵とハイテクの組み合わせなどが、日本の優れた点である等、高い評価を頂きました。
演習第一部見学の様子 | ロープワーク(縄結び)体験の様子 |
日本水フォーラムの出展ブースで |
一般財団法人河川情報センター(FRICS)の 出展ブースで説明を受ける一行 |
日本水フォーラムの出展ブースで 水クイズに挑戦する一般来場者の皆さん |
渡良瀬遊水地前での集合写真 |
(報告者:コーディネーター 加藤直実)