京都世界水大賞
京都世界水大賞は、途上国の水問題解決に向けて優れた活動を続ける草の根団体を顕彰する国際的な賞として、2003年に創設されました。以後、3年に1度開催される国際会議「世界水フォーラム」にあわせ、2006年より実施されています。
京都市と世界水会議により設立された京都世界水大賞は、第4回より日本水フォーラムと世界水会議が共催しています。
▼京都世界水大賞についてはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/grass_roots_projects/kyoto-prize
第5回京都世界水大賞
日本水フォーラム、及び、第5回京都世界水大賞審査委員会による厳選な選考の結果、他の草の根団体の模範となる草の根団体として、144件の応募の中からトーゴの「Charité Chrétienne pour Personnes en Détresse (CCPD)」が選ばれました。現地プロジェクトの企画から実施まで、すべての過程に住民が参加する手法が高く評価されたものです。
CCPDには、2018年3月にブラジリアで開催された第8回世界水フォーラム閉会式内での授賞式において、賞金200万円が贈られました。
ご協賛頂きました株式会社島津製作所、鹿島建設株式会社、株式会社東京建設コンサルタント、(一財)河川情報センター、(一財)日本建設情報総合センター、(一財)ダム技術センター、(一財)国土技術研究センター、(一財)水源地環境センター、五洋建設株式会社、(一財)北海道河川財団、 川合鑿泉工業株式会社、久二野村水産株式会社、また最終審査委員会のみなさまなど、多くのみなさまのご理解とご協力により、本大賞を実施することができました。誠にありがとうございました。
第5回京都世界水大賞 実施プロジェクト概要
1)プロジェクト名
アグー・クロヌーにおける学校と地域での水と衛生の促進
2)実施地
トーゴ プラトー州 アグー県 アグー・クロヌー地域、及び同地区内の学校3校
トーゴ | プラトー州 |
3)実施期間
2018年5月~2019年7月
4)実施団体
Charité Chrétienne pour Personnes en Détresse (CCPD)
ccpdtogo.e-monsite.com
5)実施地の水問題
対象地域では、給水設備と衛生設備が不足している。そのため、住民たちはきれいな水を使用することができないうえに、野外排泄を行っている。住民は池やTalan川から飲み水や料理、洗濯用の水を得ているが、川の水は上流に住む人々の生活排水や産業排水によって汚染されている。また、対象地域の家庭や学校、保健センターにトイレはなく、中学校のトイレは朽ち果てて利用できない。
人びと、特に女性や子どもは、汚染された水源の使用やきれいな水源の不足、衛生施設が乏しいことにより、コレラや赤痢、下痢症、回虫、熱帯病などの病気にかかりやすい状態にある。
6)実施内容
・井戸5基の建設
・飲み水場20基の建設
・中学校のVIPトイレ3基の修繕
・エコサントイレ17基の建設
・手洗い場40基の設置
・水と衛生に関するワークショップを6回実施
・衛生教育キャンペーンを10回実施
・ゴミ捨て場と野外排泄場所の清掃を10回実施
・し尿の収集とたい肥化に関するトレーニングを5回実施
・たい肥の活用に関するトレーニングを8回実施
・完了時の評価
8)期待される効果
・アグー・クロヌー地域の住民6,000人と学校3校に通う生徒・教師801人が、安全な飲み水と衛生設備を利用できるようになる
・アグー・クロヌー地域の住民6,000人と学校3校に通う生徒・教師801人が、衛生習慣に関する知識を身に着ける
・トイレのし尿をたい肥として農業に利用できるようになる
これらの活動により、汚染された水と衛生環境に起因する病気の発生の減少と、たい肥を活用した食糧生産の向上が期待される。
実施地のようす
Talan川で洗濯をする住民のそばで飲み水を汲む住民 | 中学校の朽ち果てたトイレ |
▼京都世界水大賞についてはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/grass_roots_projects/kyoto-prize
(報告者:マネージャー 郡司晃江)