JWF News 5月号

JWF News Vol.140 日本水フォーラムロゴ
平成28年5月18日発行

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—– 目 次 —–

巻頭言 危機を機会に

 

日本水フォーラムからの報告
東レ株式会社CSRプロジェクトが完了しました
世界水会議(WWC)第58回理事会参加報告
第7回「水と災害ハイレベル・パネル」(HELP)の開催
アジア水協議会(Asia Water Counci) 第1回総会の参加
国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)「持続可能な開発に関する
アジア太平洋フ ォーラム2016」の参加

三島北高校スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業報告会への参加報告

 

採用情報

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巻頭言 危機を機会に
日本水フォーラム事務局長
竹村公太郎

 

気候変動と水分野
日本水フォーラムは、2016年3月1日、「世界水の日」のイベントとして「水未来会議」を開催しました。場所は衆議院第一議員会館会議室をお借りし、約150名もの参加者の方々をお迎えして行いました。
テーマは「気候変動と水分野」に焦点を当てました。気候変動に伴う課題は、気候変動にいかに対処するかの『適応策』と、気候変動に深く関わるCO2削減にいかに貢献していくかの『緩和策』です。
気候変動は「気象の狂暴化」として私たちの前に現れてきます。気象の狂暴化とは、過去の気象データの想定範囲から大きく外れた気象現象の頻発です。思いもしなかった豪雨に伴う大洪水、長期大干ばつに伴う大渇水、それらが人類を襲ってきます。適応策については、今までも水分野で様々の検討がなされ、実施に移されています。

適応策
日本では河川の規模や重要性によって異なりますが、一般的には100年に一度の大洪水に対応する堤防、ダム、遊水池が計画され建設されています。しかし、そのインフラ整備はいまだ途上にあります。
気象はこの100年に1回の想定をいつかは必ず超えます。なにしろ、この国土で日本人はこれからも、200年、300年いや千年、生きていくのです。ですから200年に一度、300年に一度の洪水は、必ず襲ってくるのです。気象が狂暴化すると、今まで300年に一度と思っていた大洪水が頻繁に襲ってくる事態となります。
ハード対策を着実に進めることと、適確な情報伝達、円滑な避難システムのソフトの合わせ技で被害軽減を図っていくこと、それが適応策では重要です。
干ばつに関しては、日本では10年に一度の渇水の時でも正常な社会が営まれるようにと、ダムなどの水資源開発を行っています。渇水においても20年に一度、30年に一度という大渇水が頻繁に襲ってくることになります。それに対しては、水利用者間の調整協議会で「水のゆずり合い」や「節水対策」でしのいでいくなどの適応策が取られていきます。

緩和策
水未来会議におけるもう一つのテーマが『緩和策』でした。水分野での工夫、努力を、気候変動の緩和に貢献させていこうというものです。
特に、昨年12月のCOP21パリ協定は画期的であったことがシンポジウムのパネリストから指摘されました。約20年前の1997年に採択された京都議定書は、先進国間の温室効果ガス排出量低減の押し付け合いでした。しかし、今回のパリ協定では、途上国、新興国、先進国が、共に脱化石燃料の社会を目指すことになりました。気候変動対策の必要性を、新しい低炭素社会に向けた文明の大転換への機会と捕らえる認識が広がっていきました。
「消極的な危機の押し付け合い」から「積極的な機会の取り合い」になったのです。

未来志向の課題解決を
このような認識であれば、水災害対策は「防災情報伝達システムの構築により、近代化で崩壊した地域コミュニティーの再生」になります。水と衛生の面においては「低エネルギー技術の改良により、エネルギー大量消費社会からの転換と水困難地域の解消の実現」になります。
そして、日本の伝統的省エネルギー技術と水の叡智が、光を浴びていくこととなります。日本は、近代的ハイテクノロジーと伝統的ローテクノロジーの二人三脚で、世界の水問題解決に貢献していくことができるのです。
気候変動に対する適応策、緩和策を「負」としてではなく、新しい文明転換の「正」の機会としていく。「危機を文明転換の機会」とするなど、なかなか人類も捨てたものではないですね。

»国連【世界水の日】記念・水未来会議2016~Climate is Water
»「水未来会議からのメッセージ2016」(PDF)
»提言「低炭素で持続可能な水・物質循環社会へ」(PDF)

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日本水フォーラムからの報告
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東レ株式会社CSRプロジェクトが完了しました
日本水フォーラムは、東レ株式会社の進める持続可能な社会づくりに向けた社会貢献活動のひとつとして、2011年(平成23年)からインドネシア、ロンボク島で小学校の水と衛生環境の改善のための活動を展開してまいりました。
5年目となる2015年度は、4年間の活動成果を、対象地域の小学校運営に還元することを目的に活動し、現地行政機関に成果文書の提出をし、今後への提言を行いました。
東レ株式会社をはじめ、多くの皆さまのご支援により本プロジェクトを実施することができました。ご支援いただき、ありがとうございました。
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世界水会議(WWC)第58回理事会参加報告
世界水会議(WWC)の第58回理事会が、インド・ラジャスタン州の水資源大臣並びにマハラジャ(藩王)の参加の下、WWCの新たな理事として就任し、執行部に加わった Jal Bhagirathi Foundation(JBF)がホストし、初めてインドで開催されました。
理事会では、主に、昨年11月の総会にて承認された、2016年から2018年までの3カ年の活動戦略に基づく活動計画についての議論が行われました。日本水フォーラムからも、「水と気候変動」のタスクフォースへの参加等、様々な活動に関与していく予定です。
次回の理事会は、6月24日・25日にブラジル(ブラジリア)にて開催され、引き続き、同地にて、第8回世界水フォーラムのキックオフ会合が、6月27日・28日に開催される予定です。
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第7回「水と災害ハイレベル・パネル」(HELP)の開催
第7回「水と災害ハイレベル・パネル」(High-level Experts and Leaders Panel on Water and Disasters (HELP))が5月11日に、オランダ・ロッテルダムにおいて開催されました。
同会合は、5月10日から13日まで開催された第4回国際気候変動適応会議の期間中に行われ、今回の会合では、水アーキテクチャー、水関連災害への投資・ファイナンス、渇水と気候変動について議論されました。また、デルタ同盟に出席する各国大臣によるハイレベル・ダイアログも合わせて開催されました。
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アジア水協議会(Asia Water Council) 第1回総会の参加
アジア・太平洋水フォーラム(APWF)事務局は、2016年3月24~26日にインドネシア・バリで開催されたアジア水協議会(Asia Water Council: AWC)第1回総会に参加しました。本会合には、韓国やインドネシアをはじめとする26か国の政府・公的機関、民間企業、学術機関、NGO等、100機関から300名の参加がありました。
AWCは、アジアの水問題について国際的な認識を高め、地域の水課題を解決することによって、アジアの持続可能な開発を促進することを目的とした、韓国水資源公社(K-water)主導による新たなネットワークです。
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国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)「持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム2016」の参加
日本水フォーラムが事務局を務めるアジア・太平洋水フォーラム(APWF)は、UNESCAPが4月3~5日にタイ・バンコクの国連会議センターで主催した「持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)2016」内のワークショップ、及びAPFSD2016に参加すると共に、APWFの活動を紹介したポスター発表を行いました。
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三島北高校スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業報告会参加報告
2月2日、日本水フォーラムが推進会議委員として支援している三島北高校SGHの事業報告会が、静岡県沼津市のプラサ・ヴェルデで行われました。
2015年度の事業説明、事業の分析の後、パネルディスカッション、ポスターセッションが行われました。ポスターセッションでは、課題研究の成果が発表され、1年生の各クラスから計7グループ、ベトナム海外研修生徒から計5グループが成果を発表しました。
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採用情報
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JWF News Vol.140    平成28年5月18日発行

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