JWFファンド フォローアップとは
JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。
フォローアップ活動を開始して5年目となる2019年度は、JWFファンド2018で支援した7件の実施団体のうち、5件(ラオス1件、マラウイ1件、シエラレオネ1件、ウガンダ2件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、ラオスを除く4団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。
本ページでは、湧水設備の修繕と衛生習慣の向上、女性利用者のトレーニング(ウガンダ)について、ご紹介いたします。
湧水設備の修繕と衛生習慣の向上、女性利用者のトレーニング(ウガンダ)
実施概要 実施地の課題
主な実施事項
|
フォローアップ結果
実施団体CUWEDEのスタッフ(Mr. Kumakech James)により実施されたフォローアップ調査の結果は以下のとおりです。
- 修繕した給水設備2基の現在の状態
– アリモとアメレンジュ・アヴブの給水設備は、どちらも機能している。水の流れの影響と設備の周りの土壌が弱いことで、アレメンジュ・アヴブの取水口では、損傷による水漏れが見つかった。
– 水源は、毎月定期的にチェックされている。飲用に適した水質が保たれており、安全な水を住民が利用できている。
– 水量は安定しており、年間を通じて水を得ることができる。乾期の間でさえも、十分な量の水を供給することができている。 - 維持管理体制
– 給水設備の利用者たちは、給水設備を汚さないように意識しており、水汲みにはきれいな容器を使うようにしている。
– 2つの給水設備では、明文化されているわけではないが、水汲みの際にはきれいな容器を使うというルールが浸透している。
– 当初給水設備の周りに設置した生け垣は、乾期の間にヤギに食べられて壊れてしまった。給水設備の利用者委員会とCUWEDEは、利用者から集めた資金を活用して設備の周りに囲いを建てることに合意した。
– フォローアップ調査の際、給水設備の近くで洗濯をしようとする住民を何人か発見した。地域のリーダーはそのようなことはしないようにと注意した。洗濯は推奨されておらず、給水設備はマナーを守って使うという利用者の中でのコンセンサスがある。
– 給水設備は、地域住民の中から選ばれた9名が属する利用者委員会のメンバーがそれぞれの設備を管理している。利用者は、清掃活動を分担している。
– 給水設備の維持管理のため、利用者委員会はルールを設け、利用者たちに定期的な維持管理の役目を分担している。また、財源確保のために、4半期ごとの寄付を募っている。 - 受益者の変化
– 利用者たちは、きれいな水を飲むことができるようになり、また、より良い衛生習慣を実践している。プロジェクト実施前の年と比べて、汚染された水に起因する病気が減少した。コレラの症例は昨年報告されていない。対象地域にある保健センターからの報告によれば、給水設備利用者たちの赤痢と腸チフスの症例が減少していることが明らかになった。
– この地域では、すべての世帯にトイレや水浴び小屋といった基本的な衛生設備を設置することが奨励されている。
現場からの声
|
|
Parmu Jamesさん(41歳、男性)、地域リーダー
|
フォローアップ調査時の現地の様子
2018年に修繕したアリモの給水設備 | アリモの給水設備と利用者たち |
2018年に修繕した アメレンジュ・アヴブの給水設備 |
アメレンジュ・アヴブの給水設備から 水を汲む女性 |
(報告者:ディレクター 浅井重範)