JWFファンド フォローアップとは
JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。
フォローアップ活動を開始して5年目となる2019年度は、JWFファンド2018で支援した7件の実施団体のうち、5件(ラオス1件、マラウイ1件、シエラレオネ1件、ウガンダ2件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、ラオスを除く4団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。
本ページでは、マレウレ地域における掘抜き井戸の修繕プロジェクト(マラウイ)について、ご紹介いたします。
マレウレ地域における掘抜き井戸の修繕プロジェクト(マラウイ)
実施概要 実施地の課題
主な実施事項
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フォローアップ結果
実施団体CCCEMのスタッフ(Ms. Rhoda Mollande)により実施されたフォローアップ調査の結果は以下のとおりです。
- 修繕した井戸2基の現在の状態
– 修繕した井戸2基は今も当初の計画通り機能しており、利用者たちは年間を通じて十分な量の安全な水を得られている。
– 2019年10月12日にMs. Mollandeがプロジェクト実施地を訪問した際は、井戸1基の内部のパイプが劣化しており、破損して水が出てこなくなった。地域の住民が、利用者から集めた寄付で丈夫なパイプを購入し、交換した。今は、安全な水を汲むことが出来ている。 - 維持管理体制
– 井戸管理委員会が修繕した井戸2基を管理している。
彼らは井戸の利用者から毎月寄付金を集めるほか、夜間は井戸を施錠している。集められた寄付金は会計係が保管し、利子付きのローンとして住民に貸し出しも行っている。新しいビジネスを始めるための資金として借りる住民もいれば、洪水や飢餓、病院への交通費、葬式費用といった急な出費のために借りる住民もいる。
プロジェクトの実施期間中に2名が簡単な修理のトレーニングを受けた。大掛かりな修理が必要な場合は、寄付金を使って人を雇うこととしている。 - 受益者の変化
– 人々が井戸の周りを清掃するほか、水を汲んだ容器に蓋をするようになった。
– トレーニング後、この地域で汚染された水に起因する病気の症例は報告されていない。
– いつでも欲しい時に水を得ることができ、その日その日の活動を適切に計画することが出来るようになったことで、家で(水汲み以外)の仕事の時間を管理することができるようになった。
– 井戸の水は、地域住民による学校での炊き出しにも使われている。女性たちは、子どもたちのために学校に行って食事の用意をすることができる。
現場からの声
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Thokozani Zagwさん(23歳、男性)、井戸の利用者
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フォローアップ調査時の現地の様子
2018年に修繕した井戸 | 2018年に修繕した井戸を使う女性と男児 |
チヨンガ村のチーフへのインタビューの様子 | 井戸近くで栽培されるトマトと玉ねぎ |
(報告者:ディレクター 浅井重範)