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【JWF News Vol. 188】JWFファンド2020 公募を開始します!
2020年6月17日発行
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◇目 次◇
・巻頭言 【特別寄稿】この危機を、人類の生き方を問い直す機会に
・日本水フォーラムからのお知らせ
– JWFファンド2020 公募を開始します!
– 令和元年度活動報告 発行のお知らせ
・日本水フォーラムからの報告
– JWFファンド2019 完了プロジェクト報告 in 南スーダン
– 『どうする!?今年の打ち水大作戦会議』がオンラインで開催されました
・活動へのご支援・ご協力のお願い
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・巻頭言 【特別寄稿】この危機を、人類の生き方を問い直す機会に
日本水フォーラム副会長 今井義典
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世界を席巻するパンデミックの中で「人間の安全保障」という言葉が頭から離れない。21世紀への変わり目に、亡き緒方貞子さんらが提唱した考え方だ。世界の先頭に立って難民支援に取り組んだ緒方さんは、紛争と貧困に追われて、家も国も捨てさまよう人々の悲惨な暮らしを目の当たりにした。国家による安全保障だけでは一人ひとりの地球市民の安全を守ることはできないと呼び掛けたのだ。
これを世界共通の課題として2000年の九州沖縄サミットで取り上げ、さらに秋の国連ミレニアムサミットの演説で世界に訴えたのが、当時の森喜朗首相、現日本水フォーラム会長だ。森首相は国連演説の中で紛争や貧困、環境破壊などと並んで感染症問題にも言及し、国際社会が人間の安全保障を中心に据える重要性を訴えたのである。
あれから20年、紛争が後を絶たず経済格差が拡大する一方のところに、今度は新型コロナウイルスによるパンデミックが襲った。しかもこれまでと違って途上国よりも先に、豊かで安全な暮らしが確保されているはずの国々から大感染が始まった。ウイルスは国境を越え大洋を渡って瞬く間に世界の隅々にまで広がった。幾多の生命を奪い日常生活を破壊し、世界経済と企業の生産活動を瀬戸際まで追い詰めている。しかも国々はこの危機に連携して取り組むどころか、エゴと中傷にまみれた「ミーファースト」の罠に陥っている。そして感染はアジア太平洋から中東、アフリカ、南米の新興国や途上国でも猛威を振るい、人類の危機は深まるばかりだ。
ここ一、二年、上着のラペルに七色に輝く円形のバッジをつけている人をよく見かける。「SDGs」(持続可能な開発目標)の17の目標を見事にデザインしたものだ。七色のストライプが時計回りに並べられたバッジ、その中の明るいブルーのストライプに目が止まる。言わずもがなSDGsの6番目の目標「水と衛生」である。
SDGsバッジは「持続可能な開発目標」の旗印だ。しかし誇らしげにバッジをつけているだけではSDGsは進まない。一人ひとりが17の目標の実現に向けてどこまで真剣に取り組むかにかかっている。企業の世界では「ESG」(環境・社会・ガバナンス)にどれだけ積極的に取り組んでいるかを投資の判断基準にすることが提唱されている。しかしパンデミックと経済危機の前に、SDGsもESGも二の次になってしまうのではないか、そんな不安がよぎる。掛け声倒れに終わらないように改めて足許から問い直さなければならない。
今回のパンデミックが第一波で終わると考えている専門家はまずいない。今後も次々と新手のウイルスが現れては悲劇と危機が繰り返し世界を襲うだろう。そのたびに格段に衛生環境がよく、医療体制が整った先進国の私たちでさえ、絶対に欠かせないのは『手洗いの励行』だ。つまり『安全な水』が隅々までいきわたることこそ、豊かな社会にも貧困にあえぐ社会にも共通の、最も基本的な防止策であることに思い当たる。
しかし世界に目を向けると「安全な水と石けん」を自由に使うことすらできない人々は、実に世界の人口の40パーセント、30億人にも達する。これらの人々に安全な水を供給して「水の安全保障」を確保しない限り、「人間の安全保障」はあり得ない。人も企業もNGOも一丸となって『安全な水』の確保に支援の手を差し伸べていこう。これこそがポストコロナの世界の「New Normal」への大事なステップになる。
JWFファンド2019の支援で建設された湧水設備で水を汲む子どもたち(ケニア、2020年2月撮影) | SDGsバッジと目標6 |
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・日本水フォーラムからのお知らせ
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– JWFファンド2020 公募を開始します!
JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。
日本水フォーラムは、本年もJWFファンド2020の公募を行います。
本年の応募申し込み期間は、2020年6月22日~7月21日18時(日本時間)までです。
応募にあたってのガイドラインと申請様式は、6月22日の公開を予定しています。
なお、本年は7件程度の採択を予定しております。
この基金による支援が、草の根レベルの水問題解決にとって確実な一歩となることを願っています。
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– 令和元年度活動報告 発行のお知らせ
令和元年度の日本水フォーラムの活動を取りまとめた活動報告書を発行しました。
活動報告は、前年度に行った活動を会員の皆様やご支援・ご指導いただいている皆様にお伝えすることを目的に、設立以来、継続して発行しています。
活動内容をより分かりやすくご報告するため、4つの活動の柱に沿ってアイコンを付記するとともに、色分けをして報告を掲載しております。
▼ダウンロードはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/about_us/annual_report
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・日本水フォーラムからの報告
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– JWFファンド2019 完了プロジェクト報告 in 南スーダン
JWFファンド2019では、36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動を支援しました。
今回は、南スーダンで実施されたプロジェクト「児童と脆弱な住民、難民帰還者たちのジェンダー関連被害を減少させるための水と衛生サービスへのアクセス改善」について、ご報告いたします。
▼南スーダン▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0616/?p=13666
(報告者:ディレクター 浅井重範)
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– 『どうする!?今年の打ち水大作戦会議』がオンラインで開催されました
2020年3月11日、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスのパンデミックを発表しました。日本でも4月7日、緊急事態宣言が全国に発出されました。
誰も経験したことのない新しい生活様式の中で、「打ち水大作戦」というソーシャルアクションがどのように変化していくべきか、水の専門家とイベント専門家を交え、全国の打ち水大作戦関係者の皆さんと一緒に話し合うオンライン会議が開催されました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/capacity_development/uchimizu/2020/0615/?p=13624
(報告者:マネージャー 桑原清子)
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・活動へのご支援・ご協力のお願い
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「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」は一年程度の延期となりましたが、開催に向けた準備は着実に進めて参ります。
新たな日程で4th APWSを円滑に開催できるよう、引き続きご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
▼寄付の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/make_a_donation
▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。
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JWF News Vol. 188 令和2年6月17日発行
認定特定非営利活動法人日本水フォーラム
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TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: https://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。
現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止対策として、職員一同在宅勤務・テレワークを実施しています。
そのため、ご意見等に対するご返信に数日を要する場合もございますので、予めご了承頂きたくお願い致します。
皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。
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このコンテンツは、公益財団法人 河川財団の河川基金の助成を受けています。