第13号プロジェクト 農村コミュニティのための太陽光発電式水ATM*とバイオトイレの導入
完成した水の自動販売ユニットと地域住民たち |
* 水ATM: 水の自動販売ユニット
1)実施地
インド 西ベンガル州 プルリヤー県 ラグナトプラーII地区 チェルヤーマ村
インド(赤色の部分) | 西ベンガル州(赤色の部分) |
2)受益者数
チェルヤーマ村と近隣の村の住民 約2,200人
3)実施期間
2019(令和元)年4月~11月
4)現地団体
South Asian Forum for Environment (SAFE)
https://www.safeinch.org/
5)実施地の水問題
プロジェクト実施前、この村の人々は十分な飲み水が得られず、また、トイレを利用する習慣がなく、ため池で野外排泄をしていました。
公衆衛生に関する意識が非常に低いこともあり、人々の健康や衛生状態にも悪影響が出ていました。
6)実施内容
チェルヤーマ村の住民が安全な水を一年中得られるように、そしてより良い衛生環境を目標として、水処理設備(太陽光をエネルギー源とした膜処理)とトイレの設置等を行いました。また、利用にあたっては少額ながらもICカードを利用した料金回収が行われ、今後はこれを財源とした住民自らの設備の維持管理、更なる施設の充実が期待されます。
- プロジェクト実施前の地域住民との協議
- ステークホルダーとのプロジェクト立ち上げのための会議
- 既存のため池の改良
- 水処理設備の設置
- 水の自動販売ユニットの設置
- バイオトイレの建設
- バイオガス生成器の建設
- 住民への意識啓発やグループディスカッション
- 維持管理のための技術に関するトレーニング
- プロジェクトのモニタリングと評価
技術面:
・RO膜水処理設備システムは問題なく稼働している。水漏れがある場合も現地で修理対応が可能である。 ・水処理設備の稼働データと自動販売ユニットの売り上げデータは、適切に管理されている。
社会面:
・受益者の9割以上が水の自動販売ユニットを定常的に利用している。
・受益者からは、健康面で改善が見られているという声が寄せられている。
・村の女性たちはバイオトイレ等の設備を使用し、定期的に清掃している。
彼女たちはこれらの設備に満足している。
7)受益者からの声
35歳、女性、住民グループのリーダー 私は20歳で結婚しました。ここに住んで15年が経ちます。この村での生活は良いものですが、水については最悪でした。この村には、ため池以外の水源がありませんでした。私たちの(水汲みの)仕事はため池の水に左右されていました。夏になると、ため池はたびたび干上がってしまいます。そうなると、私たちは毎日6キロほど歩いてDamodar川まで水を汲みに行っていました。人里からとても離れているので危険でした。 |
実施地の様子
既存のため池の改良 | 水処理設備の建設 |
改良した既存のため池 | 水処理設備の外壁に描かれた 地域住民への啓発ペイント |
完成した水の自動販売ユニットと 地域住民グループのリーダー |
完成したバイオガス生成設備と 有機肥料製造のための設備 |
バイオガスキッチンが設置された建物 |
ダルビッシュ有投手をはじめ、当基金へご寄付いただいた皆さま、現地パートナー団体、対象地域の住民等、多くの皆さまのご支援とご協力によりプロジェクトを実施することができました。心より感謝申し上げます。
▼ダルビッシュ 有 水基金や過去に実施したプロジェクト、参加方法についてはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/grass_roots_projects/darvish
(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)