JWF News 7月号 JWFファンド2019 完了報告(シエラレオネ)ほか

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【JWF News Vol. 189】 2020年7月15日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 【特別寄稿】コロナウィルス・パンデミックに当たって、日本水フォーラムの活動を考える

・日本水フォーラムからのお知らせ
– 「いっせい打ち水大作戦2020」にご参加ください!

・日本水フォーラムからの報告
– 令和2年度通常総会を開催いたしました
– JWFファンド2019 ハンドポンプ井戸の修繕による給水・衛生状態の改善(シエラレオネ)
– ダルビッシュ 有 水基金 第13号プロジェクト 完了しました!

・活動へのご支援・ご協力のお願い

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・巻頭言 【特別寄稿】コロナウィルス・パンデミックに当たって、日本水フォーラムの活動を考える
日本水フォーラム評議員 井出 亜夫

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(成長至上主義からの離別 SDGの探求・実践)
コロナウィルスパンデミックにより改めて現代人類社会の脆弱性が浮き彫りにされています。
第2次大戦終了後、経済発展による楽観的認識が世界を支配しましが、貧富の格差拡大とこれに起因する政治・社会問題は無視できません。トマ・ピケティ「21世紀の資本」が指摘した今日の市場経済システムは、コロナウィルス問題を機に改めてその不安定性が問われています。
1962年レイチェル・カーソンは「沈黙の春」において農業・自然界と化学製品の相克問題を提起し、1972年、ローマクラブは「成長の限界」を提示し、また、同年「国連人間環境会議」が開催されました。
20年後1992年、ブラジルで「国連環境開発会議」(地球サミット)が開催され、「環境と開発に関するリオ宣言」、持続可能な開発のための行動計画「アジェンダ21」が採択されました。この動きは、以降一連のCOP会合、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」SDGsの動きとなっています。SDGsの多くの項目は、日本水フォーラムの活動・目的に極めて深い関係を有しています。
コロナウィルスパンデミックは、これを契機とした人間社会・文明と自然との関係を我々に説いかけ、国際社会はこれに対し、如何なる対応が出来るかが問われています。
日本水フォーラムには、「当面の治水」、「水管理」を超えて、自然・環境と人間活動の調和、水の需給もままならない世界の貧困地域の問題解決、これらを可能とする市場経済システム・民主主義の確立等、多くの課題に対して国内外へ発信することが強く求められます。

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 国連 持続可能な開発目標

(市場経済の国・民主主義の国といわれれる国の対応)
アメリカの対応は、トランプ大統領の発言も含み、アメリカ民主主義・市場経済なるものの実態を露呈(貧富の格差拡大、現代先進社会に当然な社会保障制度の不備、アメリカ社会に根づく人種差別現象の実態等)しています。②これに比べ、メルケル首相等、欧州政治家の発言は、人類の共存、相互依存性に触れるなど視野の高さを示しています。

(情報革命の進展とポストコロナウィルス)
情報化社会の進展は、コロナウィルスパンデミックの中でもその度合いを強め、ビックデータの活用、AIの利用は、情報の分析、伝達に更なる革新・変化を加えています。また都会への人口集中、地方の疲弊の是正・振興に新たな手掛かりを与えることが期待されます。
この動きに対し新しいルールを作る努力が求められるとともに、人々の相互依存関係を再認識させるなど、市場経済システムの永続性を如何にして高めるか、現代人の知恵が試される大きな問題でありましょう。ここにも世界の水問題を解決する様々な工夫が求められるでしょう。

(人間の相対性、相互依存性を述べた東洋思想)
総じて、近代の到来は、自然を克服する欧米思想によってもたらされましたが、この機会に人間の相対性、相互依存性を述べた東洋思想を振り返り、今後の対応に資したいものです。
① 前漢劉向「説苑」(国を超えた発想)
② 論語に現われたコンプライアンス観、富貴観
・利益本位で行動する人ほど怨恨の種をまくことが多い。
・君子は万事を道義に照らして会得するが、小人は万事を利害から割出して会得する。
③ 人間と自然界との調和を示している老荘思想
④ 二宮尊徳(1787~1856 江戸末期農政家)に現れた持続的発展思想
・「遠きを謀る者、近きを謀る者」「利を計る遠近」は商法の掟である。
・誠心・勤労・分度(限度に応じ計画を立てる)・推譲(人のため世のための志と実践)
⑤ ムハマド・ユヌス(2006年ノーベル平和賞受賞 「貧困ゼロ、失業ゼロ。環境破壊ゼロの世界を提唱」
⑥ マハトマ・ガンジジー 現代社会7つの大罪
・原則なき政治 ・道徳なき商業 ・労働なき富 ・人格なき学識(教育) ・人間性なき科学 ・良心なき快楽 ・献身なき信仰
⑦ 宮沢賢治(農民芸術概論要綱)
・世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
・我らは世界の真の幸福を訪ねよう・・・

(グローバル社会における世界市民としての素養と自覚)
人類の共存、相互依存性の認識を高めるためには、専門領域を超えた、あるいはその根底にあるリベラル・アーツ(哲学、倫理学、歴史 文学、テクノロジーよりもサイエンス)を視座の中に据えなければなりません。総じて、日本の実情は、明治以来近代化を目指したテクノクラート養成に主眼が置かれ、分野を超えた発想が足りません。改めて自問してみたいものです。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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– 「いっせい打ち水大作戦2020」にご参加ください!

2020年3月11日、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスのパンデミックを発表しました。日本でも4月7日、緊急事態宣言が全国に発出されました。
誰も経験したことのない新しい生活様式の中で、今年の打ち水大作戦にどう取り組むか。先月6/3に、水の専門家とイベント専門家を交え、「打ち水大作戦」というソーシャルアクションがどのように変化していくべきか全国の皆さんと一緒に話し合うオンライン会議が開催されました。

その結果を踏まえ、環境や衛生面により配慮した実施方法の提案として「”令和版”打ち水の作法 」が発表されました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/capacity_development/uchimizu/2020/0715/?p=14001

(報告者:マネージャー 桑原清子)

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・日本水フォーラムからの報告

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– 令和2年度通常総会を開催いたしました

令和2年度通常総会を6月24日(水)にWeb会議(ZOOM)及び日本水フォーラム会議室で開催いたしました。
審議は「令和元年度事業報告及び活動決算、令和2年度事業計画及び活動予算、役員(理事・監事)選任」の3議案について説明を行い、会員の皆様に承認いただきました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/info/2020/0625/?p=13956?tag=jp,rep_jp

(報告者:ディレクター 石鉢盛一朗)

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– JWFファンド2019 ハンドポンプ井戸の修繕による給水・衛生状態の改善(シエラレオネ)

JWFファンド2019では、36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動を支援しました。
今回は、シエラレオネで実施されたハンドポンプ井戸の修繕による給水・衛生状態の改善プロジェクトについて、ご報告いたします。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0714/?p=14037

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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– ダルビッシュ 有 水基金 第13号プロジェクト 完了しました!

第13号プロジェクトでは、インド東部西ベンガル州の村において、水処理設備と水の自動販売ユニット等の設置による安全できれいな飲み水の確保のための活動を実施いたしました。
本プロジェクトの実施により、対象の村と近隣の村の住民約2,200人が安全で清潔な飲み水を利用できるようになりました。

ご寄付頂いたダルビッシュ有投手、並びにご寄付いただいた皆さまのご支援とご協力に感謝申し上げます。

▼第13号プロジェクトについてはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/darvish/2020/0619/?p=13824?tag=jp,rep_jp

▼ダルビッシュ 有 水基金や過去に実施したプロジェクト、参加方法についてはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/grass_roots_projects/darvish

(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」は一年程度の延期となりましたが、開催に向けた準備は着実に進めて参ります。
新たな日程で4th APWSを円滑に開催できるよう、引き続きご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

▼寄付の詳細はこちら▼
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JWF News Vol. 189 令和2年7月15日発行
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現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止対策として、職員一同在宅勤務・テレワークを実施しています。
そのため、ご意見等に対するご返信に数日を要する場合もございますので、予めご了承頂きたくお願い致します。
皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。

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