JWFファンド2019 キャゲファ湧水保護設備の修繕による小学校の水・衛生環境改善(ウガンダ)

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湧水設備で水処理と煮沸消毒の実演に
参加するキカアダ小学校の生徒
修繕した湧水設備から水を汲む住民

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私たちの学校に大きな支援をいただき、本当にうれしいです。
Birungi Stephenさん(43歳、男性、キバアレ地区の教育事務所代表)のコメントより抜粋

 

実施地の課題
キカアダ小学校は、キバアレ地区のキカアダ村にある公立小学校。5歳から17歳までの1,500人の生徒と児童がこの学校に通っている。この学校の水源はキャゲファ湧水しかなく、400世帯(人口約1,000人)が利用する近隣の貿易センターや、毎週土曜日と日曜日に開催されるキカアダマーケットもこの水源を使っている。2019年3月に豪雨が発生し、土砂が流れ込んだことで、キャゲファ湧水が使えなくなってしまった。このため、キカアダ小学校の児童たちは、3キロ以上離れたカボデ村の池まで歩いて水を得るしかない。この池は地元のアルコール蒸留センターも使用しており、アルコール残留物によって池の状態が悪化している。2019年3月以来、保健所の報告によると、ビルハルツ60症例と腸チフス56症例が記録されている。 この池はキカアダの住民も使用するため、水汲みの長い列ができ、児童たちは授業を欠席している。牛などの動物も、この池の水を飲んでいる。

プロジェクト実施前の様子

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飲み水や蒸留酒用に使用されていたため池 工事開始時に現場を視察する
地区の技術者と職員

 プロジェクト実施概要
【関係者との初回ミーティング】
地元住民と地区の水行政職員、RAFOが初回ミーティングに参加し、湧水設備の修繕方法について話し合い、プロジェクトを開始した。
【水管理委員会の設立とトレーニング】
水管理委員会を設立し、委員会のメンバーは、プロジェクト終了後の湧水設備の維持管理に関するトレーニングを受けた。
【キャゲファ湧水設備の修繕】
水管理委員会は、地区の技術者と共に湧水設備の修繕工事を行った。また、設備の修繕後には、動物の侵入や動物による破損を防ぐため、湧水設備の周りに囲いを設置した。さらに、カタツムリが湧水に近づかないように、設備の周りに地元の植物(コトミリ:Kotomili)を植えた。
【水処理と煮沸消毒の実演】
RAFOは、キカアダ小学校の生徒たちが、湧水を飲む前にはきちんと水を煮沸するよう、生徒たちに対して煮沸と水処理の実演を行った。
【地域住民への意識啓発のラジオ放送】
水管理委員会はラジオ番組に出演し、修繕した湧水設備について、そして水管理員会の役割と責任について話す機会を得た。
【水質検査】
工事期間中に、湧水からサンプルを採取し、地区の水環境管理事務所での水質検査を行った。検査結果からこの湧水は飲用として問題ないことが証明された。

プロジェクト実施の様子

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初回ミーティング後の
RAFOスタッフと水管理委員会メンバー
作業中の水管理委員会メンバーと
地区の技術者

現場からの声

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Baguma Augustineさん(39歳、男性、キカアダ村地方議会議長)

  • RAFOには、本当に助けてもらっています。私たちは、ここから約7kmも離れたキバヤマ村から水を得ていました。子どもたちはアルコール残留物が含まれた汚い水を飲んでいました。牛の水源にもなっていたのです。私たちは、たくさんの子どもたちが病気になった時に、牛の飼い主と話し合いました。今では、私たちは助けを得て湧水を回復させたこと、そしてこの湧水を守っていかなければならないことを村の皆に知ってほしいと思います。ありがとう、RAFO。
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Tibiita Annetさん(21歳、女性、水管理委員会メンバーであり主婦)

  • 私はハカヤマベで水を汲んでいましたが、非常に遠いので歩いていくと疲れてしまいます。ときおり、汚い水を汲んでそれを料理や洗濯に使っていましたが、洋服がさらに汚れてしまっていました。このプロジェクトに参加するように言われたとき、私はとてもうれしかったです。今、私は水管理委員会のメンバーであり、ここに牛を連れてくる人がいたら通報します。
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Nabusaayi Maryさん(43歳、女性)

  • 私の子どもたちはいつも病気になっていました。昨年の5月には保護者会を行い、子どもに水を持たせてほしいと話しましたが、ほとんどの保護者が、ボトルを持っていない、と答えました。子どもたちに水を飲まないように話しても、とても暑い日には昼食時にここに来てしまっていました。多くの子どもが病気で学校を休んでいました。雨季には多くの子どもたちが病気になり、キカアダの保健所に連れていくたびに、子どもたちは腸チフスかビルハルツであり、腹痛を訴えていると看護師に言われていました。子どもたちのことを思いやってくれて、本当にありがとうございます。湧水設備に囲いも作ってくれたので、これで牛を近寄らせず、またアルコールを製造させないようにすることができると信じています。
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Birungi Stephenさん(43歳、男性、キバアレ地区の教育事務所代表)

  • RAFOから私たちの学校(キカアダ小学校)に大きな支援をいただき、本当にうれしいです。数か月前、3か月に1度の地区の校長会議において、Nabusaayiさんが、彼女の学校での水不足、そして子どもたちが飲んでいる汚い水のせいで彼らの多くが病気になるため、学校の欠席率が上がっていることについて話してくれました。私は、保護者を集めて湧水設備の修繕工事にお金を出せないか話し合うことを提案しましたが、彼女は、保護者は子どもに本やペンを買うお金もないから、湧水の工事のためにお金は出せないだろうと答えました。もちろん、私はこの問題を地区の水行政事務所に伝えましたが、キカアダ小学校は町の行政区域の外にあるため、この湧水は支部行政と村の管理下にあると告げられたのです。その後9月に、RAFOのIreneさんが私の事務所に来て、日本水フォーラムから湧水の修繕工事を行うための補助金をいくらかもらえたので、地区の水行政事務所に紹介してほしいと言ってくれたのです。素晴らしい仕事をしてくださって、本当にありがとうございます。

JWFファンド2019

JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。JWFファンドにより、これまで177件のプロジェクトを支援し総受益者数は240,000人を越えました。(2020(令和2)年6月現在)

JWFファンド2019では36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動プロジェクトを支援しました。

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※数字は支援件数、カッコ内は受益者

JWFファンド2019の支援件数と受益者数

 

実施概要
・実施団体:Rural Aid Foundation(RAFO)(#229)
・プロジェクト名:キカアダ村のキャゲファ湧水保護設備の修繕
・実施国・地域:ウガンダ、キバーレ県
・実施期間:2019年9月~2020年3月
・受益者数:1,500人(子ども(5-17歳))
・実施費用:1,157ドル (JWFファンド1,000ドル、受益者57ドル、実施団体100ドル)

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ウガンダ

(報告者:ディレクター 浅井重範、アシスタント・マネージャー 田畑美世)

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