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実施地の課題 リゴマ村は人口密集地域であり、村人の大半は貧困状態で暮らしている。このため、水道水は彼らにとって夢である。個人の健康・栄養状態や衛生状態、及び環境的な衛生管理の状態も悪いことが多い。水源としている湧水、土地、肥料、及び住民たちの排泄物等の資源の管理も不十分である。子供たちが湧水の周りで排せつをし、人々が湧水で洗濯を行うため、湧水池には人間や家畜の排せつ物が流れ込んでいる。これにより、リゴマ村の90%以上の人は、安全な水にアクセスすることができない。リゴマ小学校の児童を含む村の人々は、洗剤や油、その他の汚れが残ったさまざまな容器で水を汲むため、湧水は汚れて色が変わってしまう。そのため、村の人々は容器の汚れで水の色が変わる前の早朝に水を汲むよう努めている。しかし、湧水が汚染されていることから、水と衛生に関する病気(アメーバ赤痢、下痢、腸チフス、コレラ、ビルハルツ)に対する村人の罹患率は高い。近隣のムトゥンブ診療所に来院する人の約80%は、水や衛生に関連する病気の症状を抱えている。 プロジェクト実施前の様子
プロジェクト内容 プロジェクト実施の様子
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現場からの声
Otieno Wajewaさん(71歳、男性、村の長老)
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Nicholas Mudahoさん(47歳、男性、マリエラ地区長補佐)
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Ogoma Nyamaloさん(42歳、女性)
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JWFファンド2019
JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。JWFファンドにより、これまで177件のプロジェクトを支援し総受益者数は240,000人を越えました。(2020(令和2)年6月現在)
JWFファンド2019では36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動プロジェクトを支援しました。
※数字は支援件数、カッコ内は受益者
JWFファンド2019の支援件数と受益者数
実施概要
・実施団体:Eco-Friendly Self Help Project(#239)
・プロジェクト名:コグマ湧水の保護設備建設
・実施国・地域:ケニア、シアヤ県
・実施期間:2019年9月~2020年2月
・受益者数:1,096人
・実施費用:1,139ドル (JWFファンド1,000ドル、受益者86ドル、地元評議会委員Mr. Nick Ochola20ドル、実施団体33ドル)
ケニア |
(報告者:ディレクター 浅井重範、アシスタント・マネージャー 田畑美世)