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【JWF News Vol. 194】 2020年12月16日発行
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◇目 次◇
・巻頭言 個別の地域災害からパンデミックへ
・日本水フォーラムからのお知らせ
– 第5回APWFウェビナーのご案内
・日本水フォーラムからの報告
– 令和2年度評議会開催報告
– 第4回APWFウェビナー開催報告
・活動へのご支援・ご協力のお願い
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・巻頭言 個別の地域災害からパンデミックへ
日本水フォーラム代表理事 竹村公太郎
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全ての災害がある日本列島
2020年12月を迎えました。この2020年は忘れられない年になります。私の人生は水災害との格闘でした。洪水による水害と、干ばつによる渇水被害です。
日本は昔から「災害のショーケース」と言われています。日本には「ない災害はない」のです。日本人は人類が受ける全ての災害を受けています。台風、豪雨、豪雪、高潮、地震、津波、火山噴火、地滑り、土砂災害、竜巻、熱波、干ばつ、冷害、山林火災、自然災害以外にも都市火災、疫病、戦争による大空襲、原子爆弾そして原発事故による放射能災害です。
日本人の命は、初冬のイチョウのように散ってきました。日本列島に住む日本人は、これらの災害を受け止めてきました。ある意味で日本人はこれらの災害を平然と受け止めきました。それには理由があります。
日本列島は南北に3,500㎞と長い列島です。その列島は海峡で分断された島の集合です。列島中央には2,000m~3,000mの脊梁山脈が走っています。その脊梁山脈からは無数の河川が流れ下り、地域は河川でも分断されています。
この海峡と山々と河川で分断された日本列島の地形が、その理由でした。
生き残った日本列島
過去の日本の災害は、結局、地形で分断された地域毎の災害だったのです。大水害、大干ばつ、大地震、厳しい疫病、原子爆弾そして原発放射能は、その災害が所在する地域を襲っていきました。
福岡県が大干ばつでも、隣の熊本県は普通の生活を営めました。広島県で原爆が落ちても、岡山県は平常でした。低地が完膚なきまで洪水で破壊されても、高台は大丈夫でした。
ある地域が悲惨な災害を受けても、離れた周辺の地域は安全だったのです。日本列島は地形で分断されていたため、災害はその地域を襲いましたが、日本列島全域には及ばなかったのです。
災害がある地域で発生すれば、周辺の地域の組織と人々は救助に向かいました。今では災害があれば、全国からボランティアが集まり災害後の復旧を応援しています。災害大国の日本は支え合いながら生き残ってきました。
しかし、2020年、その日本の災害の歴史が変わりました。
パンデミック
2020年初頭、中国武漢から感染症のニュースが入ってきました。中国からの感染症は世界に広がっていきました。新型コロナという名前と共に「パンデミック」という聞いたことがない言葉も入ってきました。国と大陸を超える感染症という言葉でした。
横浜の旅客船から始まり、あっという間に日本全国に広まりました。このころパンデミックとは、国や大陸を超えて大流行する感染症ということが知れ渡ってきました。
この災害の特徴の一つは、人々がお互いを支援できないことです。ともかく自分の身を守らなければなりません。マスクをして、プラスチックで仕切りを作り、ソーシャルディスタンスを守る。
地域間でも同じです。地域間の行き来を強制的、自主的に制限することになってしまいました。日本人にとって、全く経験のない新しい災害との戦いです。
人類はこの新型コロナを克服しなければなりません。この感染症との戦いで鍵となるのが「水」です。手洗いをする。これが世界共通の基本になります。
水に関する連携と協力を、国境を超えて実現していくことが、改めて私たち日本水フォーラムのミッションとなりました。
相手は国境を越えたパンデミックです。私たち日本水フォーラムは国境を越えた連携と協力をしてきました。私たちはパンデミックと戦う知恵と国際情報ネットワークを持っています。
すでにそのための活動を開始しています。
気持ちを引き締めて新しい年を迎えていきます。
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・日本水フォーラムからのお知らせ
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– 第5回APWFウェビナーのご案内
第5回APWFウェビナーを次の要領で開催いたします。
日時:12月22日(火)15時~16時
トピック:アジア水開発展望(AWDO)2020、及び、アジア・太平洋地域の水分野へのファイナンス
スピーカー:
-トーマス・パネラ氏 アジア開発銀行(ADB)水セクターグループ長
-シャビエル・ルフレーブ氏 経済協力開発機構(OECD)環境局・レジリエンス・適応・水チームリーダー
詳細は参加登録ページ(英語)よりご覧頂けます。
▼参加登録はこちら▼
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_q6zVDaT9RB6wPmPC4b20iA
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・日本水フォーラムからの報告
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– 令和2年度評議会 開催報告
日本水フォーラムは、12月3日(木)に令和2年度評議会をウェブ会議形式で開催しました。評議会には、評議員を始め、関係省庁、会員等、総勢57名にご出席いただきました。事務局からは、2022年4月に開催する第4回アジア・太平洋水サミットに向けた新たな取り組みをご報告すると共に、評議員ほか皆様より、水に関する諸分野の日本から世界に向けた情報発信戦略について長期的な視点からご助言を頂きました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/info/2020/1211/?p=16446?tag=jp,rep_jp
(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)
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– 第4回APWFウェビナー開催結果概要
アジア・太平洋水フォーラム(APWF)は、第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)開催までの間、アジア太平洋地域48カ国の政府職員、大使館職員及び日本政府の職員などを対象に、水分野の知見の幅を広げ、深化させることを目的としてAPWFウェビナーを開催しています。
第4回APWFウェビナーは、11月26日(木)に、トーキル・ヨンク・クラウゼン氏を講師として、「水源から海までの統合水資源管理―SDG6(水)とSDG14(海洋)のリンク」と題して開催されました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2020/1211/?p=16431?tag=jp,rep_jp
(報告者:マネージャー 朝山由美子)
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・活動へのご支援・ご協力のお願い
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大胆な発想と行動力で地球上の水問題解決を目指す日本水フォーラムを応援してください。
日本水フォーラムは、認定NPO法人です。日本水フォーラムへの「ご寄付」と「賛助会員の会費」は、税制優遇の対象となります。
▼税制優遇の内容はこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/info/2020/0520/?p=13453?tag=jp,rep_jp
▼ご寄付・遺贈に関するご案内▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/make_a_donation
▼会員募集に関するご案内▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/become_a_member
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「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」
開催日程:令和4(2022)年4月23日(土)~24日(日)
国内外の各種行事予定等を踏まえ、関係機関と調整しつつ、新たな開催日程を決定いたしました。
新たな日程で4th APWSを円滑に開催できるよう、引き続きご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
▼寄付の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/make_a_donation#1
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JWF News Vol. 194 令和2年12月16日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム(認定NPO法人)
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: https://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。
現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止対策として、テレワークを実施しています。
皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。
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このコンテンツは、公益財団法人 河川財団の河川基金の助成を受けています。