2022年4月より、アジア・太平洋水フォーラム(APWF)の執行審議会議長を務めていただいていたオーストラリア・グリフィス大学国際水センターCEOのマーク・パスコ―氏が、8月13日に急逝されました。私たち一同は、彼の予期せぬご訃報に、大変驚いております。謹んで哀悼の意を表します。
マーク・パスコ―氏は、長年APWFのメンバーとして、アジア太平洋島嶼国の水課題、とりわけ水道事業分野のガバナンスの観点からの知見、現場経験から得られた教訓を基に、常に有益な助言をしてくださっていました。 また、アジア開発銀行が出版した「アジア水開発展望2016」及び「同2020」の作成の過程においても、多様な利害関係者の視点を調整、総括し、同書の出版に尽力されました。
APWF執行審議会議長就任直後に開催された第4回アジア・太平洋水サミット(APWS)では、早速リーダーシップを発揮してくださいました。第4回APWS議長を務めた森喜朗APWF会長をサポートし、首脳級会合や閣僚級等によるハイレベルステートメントセッションでモデレーターを務めていただきました。また、ユースのリーダーシップ・イノベーションに焦点を当てた分科会や、統合セッションにおいても、それまでの議論を総括し、課題解決のための提言及びその道筋を提示してくださいました。
マーク・パスコ―氏は、大変温和な方で、我々からのあらゆる依頼に対して常に快く応じて下さっておりました。第4回APWSの成果を踏まえて、今後の活動計画をマーク・パスコ―氏と協議をし、いくつか新たな取り組みにも着手し、その実現に向けて走り始めたところでした。このたびは思いもがけないことでまことに残念でなりません。
私たちは、彼とともにアジア・太平洋地域の水問題解決に関して、ともに働く機会を持てたことを大変光栄に思っております。
ご家族の皆様ならびに関係者の皆様方に、心よりお悔やみを申し上げます。
(日本水フォーラム一同)
(写真:第4回APWS時のマーク・パスコ―氏)