ストックホルム世界水週間2023 「気候変動への適応 水ガバナンスの革新的アプローチ」

  • 8月22日 日本時間18:00~19:30 (ストックホルム時間11:00 ~12:30) 
  • 共催機関: APWF, 国連ハビタット(UN-HABITAT), ADB, 国際水管理機関 (IWMI), IWC, 韓国水フォーラム, ウォーター・インテグリティ・ネットワーク (WIN)

本セッションでは、気候変動課題に対応した水ガバナンスの枠組みの必要性と、その実装に寄与する革新的なアプローチに焦点を当てました。各スピーカーは水分野の視点からの気候変動適応戦略や政策改革事例、水資源管理に寄与する革新的な技術の活用事例、地元コミュニティの水保全への参画や利害関係者の協力の促進事例を共有しました。また、持続可能な水利用や水インフラへの投資を促進するための制度的枠組み、インセンティブなど、革新的な政策・制度改革についても検討しました。

セッションの冒頭、バスキ・ハディムリヨノ インドネシア政府公共事業・国民住宅大臣の代理で、インドネシア国家開発計画省(BAPPENAS)の副大臣で、インフラ設備を担当している Erban Maksum氏が、開会挨拶を述べて下さいました。Maksum BAPPENAS副大臣は、インドネシアの気候変動への適応策事例として、チタルム川、ベンガワン・ソロ川、ブランタス川等における統合水資源開発プロジェクト事業を紹介し、これら流域における清潔な水と衛生設備へのアクセス向上、水と災害と気候変動の関連性の把握、エネルギーと食料危機の克服、水資源管理を通じた平和構築を通じて、水循環管理、及び、流域のレジリエンス向上に取り組んでいることを発信しました。 Maksum BAPPENAS副大臣は、アジア太平洋地域の国々は、今後、国際社会で主導的な役割を果たす可能性を秘めている。他の国々と協力して持続可能な開発に向けたイニシアチブを発揮する必要があること、及び、水関連分野の政治指導者たちは、自らのコミットメントを示し、実質的な議論をリードする責任を果たす必要があることを強調しました。そして、来年5月にインドネシア・バリ島で開催予定の第10回世界水フォーラムは、政治指導者たちが一堂に会し、水課題解決に向けた計画や政策を実施するためのロードマップを策定することを目的とした政治的対話を行う絶好の機会となることから、多くの方々の参加を呼びかけました。

日本の事例として、国土交通省河川計画課国際室小浪尊宏室長が、「日本の水関連災害リスク低減に向けたイノベーション」と題した発表を行いました。小浪室長は、冒頭、2015年に開催された「先住民のイノベーションサミット」で、Winnipeg大学の名誉博士Justice Murray Sinclair氏によって強調された「イノベーションとは、常に新しいものを生み出すことではない。革新は時に、古いやり方を振り返り、それを新しい状況に持ち込むことを含む。」という言葉について触れ、1)地域固有の洪水管理手法の重要性、2)気候変動と水災害、3)日本における流域全体の統合洪水管理、4)流域全体の水・河川管理のための法的枠組み、5)流域治水政策、革新的政策と従来の活動の比較を共有し、災害レジリエンス向上に向けた取り組み、及び、その実施にかかる流域ガバナンスを紹介しました。

セッション動画

(報告者:チーフマネージャー 朝山由美子)

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