- 8月23日 日本時間 ストックホルム時間 15:00-16:00(ストックホルム時間8:00am – 9:00am CEST
- 共催機関:アジア開発銀行,アジア・太平洋水フォーラム, オーストラリア水パートナーシップ, 世界水パートナーシップ, イマジンH2O.
セッション概要
アジア・太平洋地域の水セクターは、気候変動の影響、人口の増加やそれに伴う食料やエネルギー生産のための水需要の拡大、将来の感染症の可能性などにより、より一層水資源管理が複雑化していく、という課題に直面しており、課題解決のためのイノベーションが必要とされています。しかしながら、現状、多くの水事業者や管理者は、旧来のシステム、非効率なインフラ、時代遅れの規制に縛られており、それらは急速な都市化や水不足といった増大する圧力により、取り組みの進捗を妨げている。こうした課題を克服するには、関係者間で新たなアプローチと技術を活用し、新たな未来志向の手法で協力しあっていく必要です。そこで、本セッションでは、デジタル技術、自然を基盤とした解決策(NBS)、水・衛生・衛生環境(WASH)・下水監視、気候変動下における水資源管理に関する革新的アプローチがアジア・太平洋地域の水セクターのレジリエンスと適応能力の構築にどのように寄与し、現在、及び、今後予想されうる課題にいかに効果的に対処できるか、各スピーカーが、多様な利害関係者間の協働事例を共有しながら、共同イノベーションの原動力、障壁、促進要因を軸に議論を行いました。
パネリストのうちの一人であるアジア開発銀行(ADB)のセクターグループ・水と都市開発セクター局戦略パートナーシップチーム 石井暁ディレクターは、水の安全保障を取り巻く多面的な問題に対処するには、従来のサイロ型のアプローチでは不十分である。今後進むべき道には、協働を戦略の最前線に据え、集合知、専門知識、イノベーションの力を活用するといった根本的な転換が必要であることを強調しました。そして、ADBは、水の安全保障に必要な変革を推進するため、洞察力の共有と協働による解決策を促進することを目指していることを紹介しました。
同じく、ADBのGeoffley Wilson持続可能な開発と気候変動局上級水資源専門官は、、水道分野において、我々皆に影響を与える多くの課題に対処する最善の方法は、水道事業の担い手である技術系新興企業、大学、顧客、金融業者と協力することであることを強調しました。
政府間協働の事例として、メコン川委員会事務局のTheerawat Samphawamana企画ディレクターが、今年4月にラオス・ビエンチャンで開催された「水の確保と持続可能なメコン川のイノベーションと協力」をテーマに掲げた第4回MRCサミットの成果である「ビエンチェン宣言」に基づいた取り組み事例を共有しました。
セッション動画 : https://youtu.be/0fEemCAWUdk?si=fUyxb2cFJfWpjlh5
(報告者:チーフマネージャー 朝山由美子)