水はそれぞれの地域の社会や文化と深く結びついています。適切に水資源を配分し水環境を保全するには、水をどのように使っているのかという社会との関係性や、水にどういった価値を置くのかといった文化を、考慮する必要があります。しかしながら、水を技術や経済効率の問題としてとらえられてしまうと、社会や文化といった要素が十分に検討されない恐れがあります。
日本水フォーラムではアジア開発銀行研究所と共同で「社会文化を考慮した水資源管理」レポートを作成いたしました。本レポートは社会や文化をどのように水資源管理に反映させていくのか、アジアの事例(日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、インドネシア、インド、トルコ)から考え、新しい政策やアプローチを模索することを目的としています。事例から以下のような教訓が明らかになりました。
- 水資源の管理には、地域の知恵や知識、伝統、慣習も踏まえ、構築する必要がある。
- 社会や文化を水資源管理に組入れるには、地域社会の意思決定への参画や、協働を強化する水ガバナンスを形成することがカギを握る。
- 古くからの知恵や伝統工法を、近代技術とあわせて活用し、気候リスクなど今日的な課題に対応する。
- 社会や文化は都市化や近代化などによって常に変化しており、水資源管理もそれに応じて変革しなければいけない。
▼詳しくはこちら▼
アジア開発銀行研究所ウェブサイト
https://www.adb.org/publications/sociocultural-dimensions-in-water-resources-management