日本水フォーラムの展望

 こんにちは。日本水フォーラムの事務局長となりました細見でございます。

 私は、約30年前、モントリオールやストックホルムで、水関係の産・学・官・民の専門家たちが寄り集う国際会議に参加しました。当時日本では、垣根を超えた水の議論の場はなく、この世界の議論に加わらなければいけないと強く感じました。
 帰国後「日本水大賞」の創設に奔走し、また第3回世界水フォーラムでは準備支援し、日本水フォーラムが発足してからは個人会員として関わってまいりました。こうした水を巡る様々な議論を経て、2014年に水循環基本法が誕生します。
 さて現在は、水インフラの老朽化と、気候変動すなわち水循環変動の激化が、新たな問題を社会に投げかけています。
 まず、水インフラの老朽化については、最新の科学技術も採用しながら、従来よりも水循環を健全化するために、管理や事業主体の垣根を超えた維持更新が望まれています。
 次に水循環変動の激化に対しては、水インフラに、水循環ショック(洪水・高潮・渇水)の被害を最小限にし、水循環の恵みを最大限活かせるようアジャストし、水循環で形成される環境を積極的に保全修復する対応が求められています。加えて、土地利用、住まい方や街づくり、産業形態や経済活動まで対応を迫られてくるでしょう。
 ですから、産・学・官・民の多くの皆様に、水循環が私たちの暮らしや社会、環境と深く繋がっていることを知っていただき、水を巡る議論を深め行動していただくことにより、これからも表出してくる社会的問題を少しでも軽減、回避できれば素晴らしいと思います。
 日本水フォーラムは、こうした議論の場となり、政策提言や行動の場となって、お役に立てていければ幸いです。国連のSDGs(持続可能な開発目標)の達成期限は、2030年。私たちの議論や行動が、次の国連目標につながっていくことでしょう。

日本水フォーラムの活動に、皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

                                   特定非営利活動法人日本水フォーラム    
                                       事務局長 細見 寛      

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