第11回TOTO水環境基金の助成を受け、日本水フォーラムはインドのコルカタでの地域防災、人材育成プロジェクトを実施しています。
背景
インドのみならず、アジアの都市の多くでは、豪雨、洪水、渇水、侵食、台風などによる水災害が発生し、人びとの生活や都市の経済・社会基盤に大きな影響を与えています。こうした水災害の発生頻度や被害は、気候変動の影響や都市化とそれに伴う人口の増加も重なって深刻になっています。被災後の復旧および、予防に関して、地域住民によるリスクの理解、自助や共助のしくみ作りは今後一層重要になります。
日本水フォーラムは、2014年度のJWFファンドにおいて、インドのコルカタのスラムにおける地域防災、人材育成のための活動を支援しました。
https://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/pages/grass_roots/jwf_funds/2014/doc/2_4_jp.pdf
2016年度は第11回TOTO水環境基金の助成を受け、支援した活動を拡大し、スラムの現状把握と住民の意識向上、環境改善のためのプロジェクトを実施します。
プロジェクト概要
1)プロジェクト名
スラムでの意識啓発活動と水環境清掃による人材育成
2)実施地
インド 西ベンガル州 コルカタ
インド | 西ベンガル州 |
3)実施期間
2016年6月~2017年3月
4)現地パートナー団体
Society for Equitable Voluntary Actions (SEVA)
http://www.sevakolkata.org/
5)実施地の課題
コルカタは、フーグリー川を抱え、世界有数の人口過密都市である。もともと冠水しやすい地形であるが、気候変動による雨量の増加により、洪水の発生頻度が増えている。排水処理設備が老朽化し適切に雨水が処理されないため、洪水の被害は大きく、人命や家屋、生活環境や衛生環境が被害を受けている。
特に、コルカタに数多く存在するスラム地域は、貧弱な建設資材による家屋、もろい社会構造、水路に沿って立地する地理的環境が原因となり、洪水やサイクロンなどに対し非常に弱い状態にある。
6)実施内容
- 基礎調査
- 地域での話し合い
- 青少年や大人による地域の清掃活動
- 青少年を対象とした水と衛生、水災害に関する啓発活動
- 携帯電話を活用した情報収集と発信方法の訓練
- 訓練を受けた青少年による情報収集と成果物(ショートフィルム等)の作成
- 成果物を用いた地域での啓発活動
- インド国内での成果発信
- 日本でのプロジェクト報告会開催
7)期待される成果
- 洪水や地域環境についての意識が高まる
- 洪水や地域環境について住民自身が情報を得る
- 住民が洪水被害の予防や減災の方法について情報を得る
- 地域の水関連の環境が改善する
写真
地域内の水路の現状 | 地域に住む住民への戸別訪問調査 |
携帯電話を使った情報収集 | 作成したポスターを使った啓発活動 |
TOTO株式会社、日本水フォーラムの会員の皆様、関係の皆様のご理解とご協力に、心より感謝いたします。
今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
本プロジェクトはTOTO水環境基金の助成を受けています。
(報告者:マネージャー 石原小枝)