JWF News 11月号

JWF News Vol.134 日本水フォーラムロゴ
平成27年11月4日発行

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—– 目 次 —–

巻頭言 モンゴルと日本

 

日本水フォーラムからのお知らせ
【11月6日(金)】防災シンポジウム開催のご案内
【11月26日(木)】シンポジウム「25年後の社会・水インフラ・新技術」のご案内

 

日本水フォーラムからの報告
世界水会議(The World Water Council, WWC)第7回総会に関する情報・意見交換会を開催
JWFファンド2015 採用プロジェクトが決定しました!

 

掲示板コーナー

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巻頭言 モンゴルと日本
日本水フォーラム事務局長
竹村公太郎

 

モンゴル訪問
10月15日~16日に、初めてモンゴルを訪問してきました。
直行便がなかったので、北京で一泊トランジットして翌朝早くウランバートルに向かいました。北京からウランバートルへ行く飛行ルートの地上は、延々と土漠が続く大地でした。土漠に見えましたが、草原が枯れて茶色になっていたのかもしれません。
モンゴルの人々は、この広大な大地を馬で疾走して移動していたのです。そのことは頭では知っていました。しかし、実際にこの大地を自分の目で見ると、馬で疾走する以外に移動できないほど広大である事が分かりました。

日本とモンゴルの類似と相違
日本人はモンゴル系民族に最も近いと言われています。確かに、肌の色は同じで、顔の骨格はそっくりで、体型も似ています。赤ん坊のお尻にでる蒙古斑点も共通しています。
しかし、日本とモンゴルの地形は真逆です。日本は海に囲まれた列島です。列島中央には山脈が走り各地の平野は、この山々に小さく分断されています。約70%を占める山地からは、日本海と太平洋に向かって、無数の河川が勢いよく流れ下っています。
日本の気象は1年を通して低気圧の通り道です。春の嵐、五月晴れ、梅雨前線、灼熱の夏、台風、秋雨前線そして冬のシベリアからの寒風とくるくると目が回るように変わります。
それに対して、モンゴルの大地は海に接していません。西部に山脈がありますが、国土のほとんどが草原と土漠の広大な大地となっています。その大地に流れる河川の数は限られています。大地のヒダを見つけて、ゆっくりと時間をかけて北に移動しています。
モンゴルにも四季があります。日本とは異なり6~8月を除いて、年間を通して乾燥した気候となっています。マイナス30℃にもなる厳しい冬を中心にした四季が繰り返されていきます。

馬に乗る、馬から降りる
モンゴル人と日本人は民族的には似通っていますが、生きていく地形と気象は真逆です。
「人間はその地形と気象に適応していく」という仮説があるとすれば、「日本人とモンゴル人との比較」は、文化人類学研究において極めて興味ある研究課題となります。同じモンゴル系の民族が、生きた土地の地形と気象の差によって、いかに異なっていくかが明らかになるからです。
故・梅棹忠夫先生ら多くの優れた人類学者たちが、このユーラシア大陸の草原地帯に引き込まれていったことが実感として理解できました。
モンゴルには「馬に乗って征服することは簡単だが、馬から降りて治めることは難しい」という格言があります。
モンゴル人は馬に乗って、この大地と季節の中を疾走して生きてきました。チンギス・ハーンはユーラシア大陸をほぼ手中にしたこともあります。
日本人は地形で分断された狭い土地にへばりつき、集団で土地を改変し、インフラを整備して、農耕で生きてきました。日本人は、過去何度か大陸を疾走しようとしましたが、全て失敗しました。
モンゴルの格言を日本に当てはめてみると「土地にへばりつき治めることは簡単だが、馬に乗って征服するのは難しい」となりそうです。

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日本水フォーラムからのお知らせ
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【11月6日(金)】防災シンポジウム開催のご案内
日本水フォーラムでは、来る11月6日(金)14:00~15:30(開場13:30)、防災シンポジウム『世界の水・日本の水、最新動向~防災減災と水循環(仮題)』を開催します(於:東京都港区赤坂)。基調講演に沖大幹氏をお迎えする他、竹村公太郎をファシリテーターとしたパネルディスカッションでは、水関連各部門の政策に係るキーパーソンの皆様にご登壇いただきます。SDGsを始めとする最新動向を踏まえ、今後の課題や行動計画に関する多眼的な議論を予定しています。
» 残席に関するお問い合わせ・シンポジウムの概要等は、日本水フォーラムウェブサイトをご覧ください。

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【11月26日(木)】シンポジウム「25年後の社会・水インフラ・新技術」のご案内
自分の5年後を考えたことがある人はいるかもしれませんが、25年後を考えたことがある人はいるでしょうか。25年前を振り返ってみた時、本日を想像出来たでしょうか?25年という歳月は、経済・科学技術・社会情勢など、全く予想出来ない展開にまで変化する力を持っています。ただし、人口はおおよそ予想出来ます。25年後、ほとんどの聴講者は、まだ活動しているでしょう。 その時に何がどう変わっているのか?少し長期的な目で、日本、そして世界の水インフラを展望してみようと思います。その展望の先にある”今私が目指す技術”を少し紹介したいと思います。
» シンポジウムの概要等は、日本水フォーラムウェブサイトをご覧ください

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日本水フォーラムからの報告
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世界水会議(The World Water Council, WWC)第7回総会に関する情報・意見交換会を開催
日本水フォーラムは、11月13日‐14日にかけてフランスのマルセイユで行われる世界水会議(The World Water Council, WWC) 第7回総会に先立ち、日本会員の皆様への事前説明会も兼ねた情報・意見交換会を9月30日に開催しました。WWCは水分野の専門家や国際機関の主導のもと1996年に設立された民間シンクタンクであり、事務局はフランスのマルセイユにあります。WWC総会では、3年に1度世界中から会員が集まり、理事選挙が行われ、選ばれた理事は世界の水問題について議論の方向性を決めていくことになります。日本水フォーラムは、WWC理事として、国連やWWC主催の世界水フォーラムなど国際世論を形成する場において、水問題に関する議論の誘導・展開に貢献してきました。日本水フォーラムは、これからも国内外の様々な機会、ネットワークにおいて、水問題の解決に取り組んでまいります。
» WWCについての詳細はWWCウェブサイト(英語) をご覧ください。

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JWFファンド2015 採用プロジェクトが決定しました!
今年は、6件のプロジェクトを支援します。世界には安全な飲み水にアクセスできない人が7億人以上、改善された衛生設備にアクセスできない人が25億人以上います。現場の今の声を聴き、現地NGOと住民によってその改善を図ることを支援するためのJWFファンド、皆さまからのご協力をお願いいたします。
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掲示板コーナー
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【第187回河川文化を語る会 講演『飛鳥時代から生き続ける狭山池』】
主催:公益社団法人日本河川協会
開催日時:平成27年11月19日(木)18:30~20:30
開催場所:エル・おおさか(大阪府立労働センター)7F「709会議室」(大阪市中央区北浜東3-14  TEL:06-6942-0001)
» 詳細:http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm
【水処理関連専門見本市 WATER EXPO CHINA】
主催:メッセフランクフルト上海
開催日時:平成27年11月18日(水)~20日(金)
開催場所:New China International Exhibition Center(中国・北京)
» 詳細:http://www.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/exhibitors/welcome/technology-
and-production/fairs-outside-japan/Water_Expo_China/water_expo_china.html 

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※免責事項:日本水フォーラムは、JWF News「掲示板コーナー」に掲載されている記事の内容に関しての、一切の責任を負いかねます。
内容に関してのお問い合わせは各主催者へお願いいたします。
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「掲示板コーナー」掲載記事を募集しています。
イベントやシンポジウムへの参加呼びかけなど、水問題解決に向けた取り組みをご案内していただくことを目的に、JWF News紙面上に「掲示板コーナー」を設けております。掲載ご希望の方は、news[at]waterforum.jpまでご連絡下さい。追って、掲載の取扱基準等をお送りいたします。

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JWF News Vol.134    平成27年11月4日発行

特定非営利活動法人日本水フォーラム
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