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【JWF News Vol.153】 水防演習ツアー2017を実施しました
2017年6月7日発行
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◇目 次◇
・巻頭言 十勝平野のお花見
・日本水フォーラムからのお知らせ
-「ダルビッシュ有水基金」第11号プロジェクトが始まります
・日本水フォーラムからの報告
-アセアンの水事情について講演しました
-水防演習ツアー2017を実施しました
-4℃ AQUA PROGRAM 2016が完了しました!
-インドでの地域防災、人材育成プロジェクト 完了しました!
・活動へのご支援・ご協力のお願いについて
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・巻頭言 十勝平野のお花見 代表理事 竹村公太郎
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十勝地方の台風災害
5月末、北海道の十勝平野に行ってきました。2016年8月、この十勝地方に台風が連続して襲いました。8月17日に台風7号、21日に台風11号、23日に台風9号が上陸し、30日には台風10号が大雨をもたらしたのです。北海道の帯広は北緯43度にあり、台風が来る地方ではなかったのです。この立て続けの台風の来襲は、やはり温暖化の影響でしょうか。
この地方は日本有数の穀倉地帯です。その穀倉地帯に大きな被害を与えてしまいました。現在、災害復旧工事が精力的に行われているというので、北海道の友人たちの案内で現場に向かいました。
ある堤防決壊の現場は、上流の支川が決壊しこの濁流が札内川本川との合流点まで流れ、支川と本川の合流点の窪地一杯に貯留してしまい、さらにその増水は本川の堤防を乗り越えてしまったのです。堤防が、表側の河川の洪水と、堤防の裏側から破堤した濁流に攻められてはたまりません。ついに本川も決壊してしまいました。
ある決壊現場では、堤防を決壊させた濁流が、その川と100m程度離れたところを並行して流れ、新しい河道を造ってしまいました。
ある橋梁の破壊の現場では、橋の取り付け部がえぐられていました。よく見ると上流からの流れが明らかにその取り付け部に向かっています。
どの現場を見ても、大昔の十勝平野を乱流していた河川が先祖戻りして、暴れ出したことがはっきり分かりました。
このような台風災害は、十勝平野始まって以来のことだったのでしょう。
日本最大の穀倉地帯
150年前、北海道は政府肝いりで開発されました。札幌を拠点にして石狩川を北に遡り、旭川へと開発が進みました。しかし、太平洋側の十勝平野は、日高山脈にさえぎられ、石狩平野とは分断されていたのです。
この十勝平野に海から上陸したのが、静岡の依田勉三でした。彼はこの十勝平野を民間の力で開発したのです。広大な湿地が広がる十勝平野の開発は困難を極めました。依田一族の後を多くの人々が続きました。政府に頼らず民間の力で開発したことが十勝平野の人々の誇りです。
戦後、中川一郎という指導力ある代議士がこの地に誕生しました。彼は、この寒冷な地での稲作をあきらめ、畜産、穀物農業に切り替えました。米を捨てる勇気はただ事ではなかったでしょう。その結果、今では、十勝平野は日本最大の穀倉、畜産地帯になったのです。
カロリーベースの自給率は、なんと1,200%です。この農業も特徴があります。面積が大きい割に人口が少ないので、最新の衛星写真の解析や、大型機械の共有化など様々な工夫をしています。
お花見
私を案内してくれていた友人が、中島町の人々がお花見をしているから行かないか?と誘ってくれました。喜んで行くことにしました。
小さな蔦田神社の境内で100人ほどの人々が集まっていました。神社にお参りをして仲間に入っていきました。お年寄りから小さな赤ちゃんまで、和気あいあいとした団らんが始まっていました。農協の組合長の挨拶でお花見が始まりました。花はありませんでした。要は、ジンギスカン大会だったのです。
東京から来た私が珍しかったためか、挨拶をさせられました。歴史的災害を受け、心から心配している人々に声を掛けなければなりません。思い切って立ち上がりました。
「日本の堤防の99.9%は江戸時代に造られたものです。つまり、内地は400年の歴史のなかで、安全インフラの投資が積み重ねられてきたのです。明治以降に造られた残りの0.1%の堤防は、この北海道にあります。つまり北海道の安全インフラ整備は、100年の歴史しかないのです。
温暖化で、この北海道の100年後は、関東地方のような暖かい地方になると予測されています。日本の食糧基地としてお宝になるのです。そのためにも安全についての投資を着実に続けなければなりません。どうぞ、皆さん協力し合って安全な地域になるよう頑張ってください。」という話をさせてもらいました。
帯広空港から飛行機に乗ったときは、外は真っ暗になっていました。飛行機の窓から点々と散らばっている十勝平野の光を見つめていました。その暗闇の中に、あのお花見をしていた皆さんの楽しい姿が浮かび上がってきました。
左:日本の平均気温のゾーニング
(出典)日本気候図1990年版、気象庁
右:左のゾーニングを4℃上昇した場合の、100年後の平均気温の表現
100年後の北海道の色が、現在の関東の色となっている。
(出典)地球温暖化の日本への影響2001、地球温暖化問題検討委員会影響評価ワーキンググループ
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・日本水フォーラムからのお知らせ
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「ダルビッシュ有水基金」第11号プロジェクトが始まります
日本水フォーラムは、2017年6月より、「ダルビッシュ 有 水基金」第11号プロジェクトを実施致します。
ダルビッシュ有投手の公式SNSでも同基金の情報が掲載されましたので是非ご覧ください。
▼ダルビッシュ有 公式ブログ(アメーバブログ)▼
http://ameblo.jp/darvish-yu-blog/entry-12281287324.html
▼ダルビッシュ有 公式Facebook▼
https://www.facebook.com/yu.darvish.official/
▼ダルビッシュ有 公式Twitter▼
https://twitter.com/faridyu/status/872230882643509249/
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・日本水フォーラムからの報告
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アセアンの水事情について講演しました
5月29日(月)、日本自動車部品工業会生産環境部会主催の「環境保全に関わる説明会」で「アセアンの水事情」に関して、日本水フォーラムが講師を務めました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/2017/0606/?p=6019
(報告者:マネージャー 野口 淳)
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水防演習ツアー2017を実施しました
第66回利根川水系連合・総合水防演習が5月20日 (土)、埼玉県加須市新川通地先で開催されました。水防演習は日本の水防技術伝承と防災意識向上を主な目的とし、国土交通省と流域の都道府県並びに開催市によって年に一度、出水期前に全国各地で開催されているものです。66回目となる今回は、昭和22年のカスリーン台風から70年の節目の年となる演習であり、カスリーン台風決壊口地点で開催されました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/transmitting/2017/0606/?p=5871
(報告者:マネージャー 桑原 清子)
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4℃ AQUA PROGRAM 2016が完了しました!
4℃ AQUA PROGRAMは、水問題を抱える女性たちへ貢献することを目指すジュエリーブランド4℃と、日本水フォーラムとの共同プロジェクトです。9年目となる2016年度は、プロジェクトの実施地をスリランカからバングラデシュに移し、クルナ管区、バゲルハート県の農村において、安全な飲み水の確保と女性の水汲み労働からの解放を目指し、30世帯を対象に雨水貯留タンクの設置と維持管理に関するトレーニングを実施しました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/2017/0601/?p=5533
(報告者:アシスタント・マネージャー 郡司 晃江)
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インドでの地域防災、人材育成プロジェクト 完了しました!
第11回TOTO水環境基金の助成を受け、日本水フォーラムは、JWFファンド2014で支援したインドでのプロジェクトを拡大し、コルカタでの地域防災、人材育成プロジェクトを実施しました。インドのみならず、アジアの都市の多くでは、豪雨、洪水、渇水、侵食、台風などによる水災害が発生し、人びとの生活や都市の経済・社会基盤に大きな影響を与えています。そして、こうした水災害の発生頻度や被害は、気候変動の影響や都市化とそれに伴う人口の増加も重なり、年々深刻になっています。水災害の被害を受けやすい地域の住民たちが、そのリスクや予防などに関して理解を深め、被害を少なくできるようにするために本プロジェクトを実施しました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/2017/0601/?p=5813
(報告者:アシスタント・マネージャー 郡司 晃江)
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・活動へのご支援・ご協力のお願いについて
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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた
活動を行っております。日本水フォーラムの活動を支援していただける
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JWF News Vol.153 平成29年6月7日発行
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