日本水フォーラムは、第8回世界水フォーラムにおいて、「ステークホルダーの参画」セッションを主催するなど、国際的な議論をリードしました。また、「脱炭素社会における水サービス」、「循環経済の推進」、「表流水と地下水の効率的利用」といった今後の重要課題について、世界の潮流を把握すると共に、関連する日本の経験・技術の情報発信に努めました。
<日本水フォーラム テーマプロセスでの取り組み>
- 「ステークホルダーの参画」セッションを主催
- 「表流水と地下水の効率的利用」、「ステークホルダーの参画」のトピックコーディネーターとして、セッションを形成
- 「脱炭素社会における水サービス」、「循環経済の推進」セッションへ日本人スピーカーを調整
1. 「ステークホルダーの参画」セッション
水管理においてあらゆるステークホルダーが参画する意義、そして、参加型アプローチをとることで生じる諸課題をいかに乗り越えるのかをテーマに、世界各地の具体事例をベースとして活発な議論が展開されました。会場は満席となり、立ち見も含め60名以上が参加しました。本セッションの議論の成果は、第8回世界水フォーラム全体のまとめに盛り込まれる予定です。
竹村JWF代表理事 開会挨拶 | パネルディスカッションの様子 |
(1) 開催概要
テーマ /トピック |
7. Sharing/b. Involving all: public, private, civil society – women and men – young and old – in bottom up and top down approaches |
セッション名 | 3. Involving All Through a Stakeholder Driven Process(ステークホルダー主導のプロセスを通じてすべての関係者を巻き込む) |
日時 | 2018年3月21日(水)9:00~10:30 |
会場 | ユリシーズ・ギマラエス・コンベンションセンター Room 26(ブラジル ブラジリア) |
主催 | 日本水フォーラム |
共催 | 世界水会議ユース代表プログラム、中央アジアユース水フォーラム、世界自然保護基金(米国)、ブラジリア大学持続可能な開発センター |
(2) プログラム
9:00 | 開会(市民プロセスビデオ含む) 浅井重範(日本水フォーラム副ディレクター) |
9:07 | 開会挨拶 竹村公太郎(日本水フォーラム代表理事) |
9:10 | 基調プレゼンテーション
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9:20 | パネルディスカッション パネリスト:
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10:27 | 閉会 |
(3) 議論のまとめ
- オーナーシップの醸成、解決策の持続可能性の観点より、長い目で見れば、あらゆるステークホルダーが参画する意義がある。
- ただし、以下の点について、考慮が必要。
– 誰もが公平に参画できるような仕組みづくりは、一朝一夕にはできない。
– すべての関係者が参画すれば、それだけ合意形成は困難になる。 - 上記の課題を克服し、Involving allの実践を成功に導く鍵は、以下のとおりである。
– ステークホルダーの参画を進めるには、政治的意思が不可欠。また、ステークホルダーの参画を受容する、政府側の柔軟性が求められる。
– 制度的枠組みを作っただけでは機能しない。意識啓発、コミュニケーション、能力向上、ファイナンスの取り組みが重要。
– ステークホルダー間の調整役が不可欠。継続的なダイアログが必要となる。
– 各ステークホルダーの責任・費用及び便益の分担・共有が、効果的な参画・連携の鍵となる。
(報告:副ディレクター 浅井重範)