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【JWF News Vol.163】第5回京都世界水大賞 現地活動が始まりました!
2018年5月16日発行
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◇目 次◇
・巻頭言 日本語を愛する
・日本水フォーラムからのお知らせ
– 平成30年度 通常総会の開催
– 第5回京都世界水大賞 現地活動が始まりました!
・採用情報
-アシスタント・マネージャー募集
・活動へのご支援・ご協力のお願い
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・巻頭言 日本語を愛する
代表理事 竹村公太郎
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秘密結社の講演会
第8回世界水フォーラムが終わって久しぶりにのんびりした時間がありました。前から連絡をもらっていた講演会に行くことができました。市ヶ谷駅で降りて会場に向かう初夏の空気はとても清々しかったのです。大きく深呼吸をしながら、外堀を渡っていきました。
講演会の主催は、故・福田恒存先生の意思を継いで日本語を大切にしようという仲間の集まりです。現在、グローバル化の掛け声で、大学では英語で授業が行われています。英語を公用語とする日本国内企業もあります。
日本語を守るなどという意見は世間から無視されています。このような日本の状況下で、ひっそりとまるで秘密結社のように会が開催されています。私は発足当時から会に参加しています。
その日は、鈴木孝夫先生の講演会でした。
鈴木孝夫先生、91歳
鈴木先生は日本語を愛し続けてきた研究者であり教育者です。先生は決して国内派の学者ではありません。米国に長く留学し西欧言語を学び、ロシア語にも堪能な国際言語学者です。
鈴木先生の講演の題名は、「日本語を世界に広める仕事を天職と考える若者を増やしたい」というものでした。講演の内容は、古代の世界史から21世紀の社会状況までを題材にしたスッ飛んだ講演でした。
鈴木先生は91歳です。しかし、講演の1時間30分立ちっぱなしでした。声も大きく、リズム感溢れる話しぶりでした。書籍でしか知らなかった鈴木先生を目の当たりにして、その若さと意欲にただただ驚いてしまいました。
鈴木先生の講演の鍵は「漢字」でした。
不思議な漢字
私が理解した範囲で、鈴木先生の講演を意訳して紹介します。
漢字には「音」読みと「訓」読みがあります。西暦5世紀以降、漢字は中国大陸から入ってきました。文字言語として入ってきた漢字は、話し言葉の大和言葉と融合したのです。
同じ漢字が論理と情緒で使い分けられたのです。論理では音読みで使用されました。その同じ漢字は情緒では訓読みで使用されたのです。「水」の漢字は「スイ」と読むときは論理の言葉です。水路は「スイロ」です。水を飲むときの水は「ミズ」と読みます。これは大和言葉で、ミズを飲むのです。スイを飲むのではありません。
同じ漢字で、二面性を使いこなしていた日本人の本領が発揮したのが、明治近代化でした。幕末から明治にかけて、西欧近代文明語を全て漢字で吸収してしまったのです。
Philosophyという厄介な単語を「哲学」と翻訳しました。今私たちが使っている漢字は、明治時代に造語されたものが多いのです。
日本語は融通無碍です。漢字を受け入れましたが、それを大和言葉の平仮名とカタカナに融合させてしまいました。アラビア語の「1,2,3」の数字も文章の中で使用します。ややっこしい「アイデンティティー」のような外来語は、発音はそのままにしてカタカナで使用します。それだけではありません。JICAというように英語をそのまま文章の中で使ってしまいます。
世界中で日本語は極めて特異です。日本独自の大和言葉、中国からの漢字、アラビア語、英語を混在して使っているのです。このような言語は世界を見渡してもありません。
融通無碍の日本が平和を
鈴木先生は、日本語こそトゲトゲしい世界の対立抗争心を和らげる力を持つ、と主張しています。私は言語学者ではないので、鈴木先生のこの微妙な論理を解説できません。そのため、私の得意な地理的な説明で言い換えさせてもらいます。
日本はユーラシア大陸の極東の海に浮かぶ列島です。ユーラシア大陸から流れてきた人々と情報は、この日本列島で溜まってしまったのです。日本列島の東は目もくらむ広大な太平洋が広がり、先に進めなかったのです。
人類が誕生して以来、日本列島は世界の人々と情報の吹き溜まりだったのです。日本列島は流入する人々と情報を受け入れる包容力を持ちました。なにしろ、自分自身もこの日本列島にたどり着いた一員だったからです。
包容力はなんでも受け入れる融通無碍に通じます。この包容力、融通無碍が日本列島の人々の特長となっていきました。日本列島には八百万(やおよろず)の神々がいらっしゃるほどになったのです。
地球規模の厳しい対立の時代が迫っています。この時代に、日本の包容力こそ大切なのです。日本は世界の対立抗争を和らげる可能性を秘めた国なのです。
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・日本水フォーラムからのお知らせ
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平成30年度 通常総会の開催
平成30年度 通常総会の開催を、以下の通り予定しております。
・日 時:平成30年6月18日(月) 14時00分~15時50分
・場 所:日本橋公会堂 第3・4洋室
東京都中央区日本橋蛎殻町1-31-1
会員の皆様へは、5月下旬に別途郵送にてご案内申し上げます。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/2018/0507/?p=8508
(報告者:マネージャー 石渡京子)
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第5回京都世界水大賞 現地活動が始まりました!
京都世界水大賞は、途上国の水問題解決に向けて優れた活動を続ける草の根団体を顕彰する国際的な賞として、2003年に創設されました。以後、3年に1度開催される国際会議「世界水フォーラム」にあわせ、2006年より実施されています。
第5回京都世界水大賞では、144件の応募の中からトーゴの「Charité Chrétienne pour Personnes en Détresse (CCPD)」が選ばれました。現地プロジェクトの企画から実施まで、すべての過程に住民が参加する手法が高く評価されたものです。
CCPDには、2018年3月にブラジリアで開催された第8回世界水フォーラム閉会式内での授賞式において、賞金200万円が贈られました。
CCPDは、この賞金を活用し、2018年5月~2019年7月までの自国の水問題解決のためのプロジェクトを開始しました。
▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/2018/0514/?p=8521
(報告者:マネージャー 郡司晃江)
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・採用情報
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-アシスタント・マネージャー募集
現在日本水フォーラムでは、アシスタント・マネージャーを募集しております。
日本水フォーラムのミッションとビジョンを理解し、地球上の水問題解決に貢献したいという、強い意志をお持ちの方のご応募をお待ちしています。
ご質問等、お気軽にE-mail (recruit[at]waterforum.jp)またはお電話にてお問い合わせ下さい。
▼募集内容の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/recruit/2018/0309/?p=4234
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・活動へのご支援・ご協力のお願い
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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた活動を行っております。
日本水フォーラムの活動を支援していただける会員を募集しております。
水問題解決に向けた持続可能な取組みを行うために、皆様の温かいご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。
▼会員募集の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/pages/become_a_member.php
日本水フォーラムは、国内外の水問題解決に向けて分野問わず幅広い方々と協働で活動を展開しています。
日本水フォーラムの活動にご協力いただける方、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。
▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
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JWF News Vol.163 平成30年5月16日発行
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