JWF News 9月号 JWFファンド2018の支援団体が決定しました!

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【JWF News Vol. 167】JWFファンド2018の支援団体が決定しました!
2018年9月19日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 都市の下に住む大蛇 ―なぜ「決壊」と書くのか―

・日本水フォーラムからのお知らせ
– JWFファンド2018の支援団体が決定しました!

・日本水フォーラムからの報告
– ストックホルム世界水週間での取り組み
– ストックホルム世界水週間におけるNoWNETメンバー会合の開催

・採用情報
– アシスタント・マネージャー募集

・活動へのご支援・ご協力のお願い

・掲示板コーナー

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・巻頭言 都市の下に住む大蛇 ―なぜ「決壊」と書くのか―
代表理事 竹村公太郎

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狂暴化する気象
明治、大正そして戦後の昭和にかけて、日本各地の都市を、毎年のように洪水が襲いました。何百人、何千人の単位で、日本人の命は木の葉のように奪われていったのです。
国と地方行政は、限られた予算の中で、懸命に堤防を強化しました。遊水池を造り、上流でダムを建設し、水害を防ぐ努力をしました。20世紀末になると、ダムはムダ、公共事業はムダ、という声が上がり、もう洪水に対する危険は去ったかのような風潮が広まっていきました。

しかし、21世紀に入ると、自然の脅威は津波や気象の狂暴化の姿をとって、日本人に襲いかかってきました。

2011年3月11日、東日本大震災の津波が東北を襲いました。2015年9月10日、首都圏の一級河川の鬼怒川が決壊しました。2018年7月、西日本を豪雨が襲い200人を超える犠牲者を出してしまいました。津波や洪水が激しく家々を飲み込んでいく姿が、テレビ映像として全国に発信され、日本人は、改めて自分たちが脆弱な国土に生きていることを思い知ったのです。

足元に住む大蛇
日本の都市は沖積平野の上に造られました。その沖積平野の堤防は「大蛇」の上に乗っているのです。

(図)は徳島県阿南市を、西から東へ流下する那賀川の地質図です。那賀川は国が直轄管理していて、太い線がその堤防です。この地下には旧河道が八岐の大蛇(やまたのおろち)のような姿で横たわっているのです。これは那賀川だけではありません。沖積平野の河川はすべて同じ状況なのです。

江戸時代、人々は力を合わせて堤防を築き、何本も乱れ流れる流路を堤防の中に押し込めていきました。その目的ははっきりしています。荒地を豊かな耕地に改変するためでした。富の拡大への挑戦だったのです。

近代に入ると、この沖積平野に都市が建設されていきました。21世紀の今、地面はコンクリートとアスファルトで覆われて、大蛇の旧河道を目にすることはありません。しかし、間違いなく旧河道は、今もこの堤防の下に横たわっているのです。旧河道は水が通りやすい砂礫層や湿地です。洪水の濁流は隙あれば地下から吹き出そうと、虎視眈々と狙っているのです。堤防から濁水が吹き出せば堤防は決壊に至ります。

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(図)那賀川流域水害地形分類図
提供:国土交通省四国地方整備局

 

なぜ「決壊」と書くのか?
現在、日本の沖積平野の河川の両岸には、一見して立派な堤防が延々と続いています。しかし、大洪水になった場合、旧河道のどこから水が噴き出し、堤防が決壊するかは誰にも分からないのです。
堤防のどこが決壊するか分からないのは、今に始まったことではありません。「決壊」という漢字がそれを示しています。堤防の破壊を「欠壊」と書かずに「決定」の「決」を使って「決壊」と書くのには意味があるのです。
「央」の一部を削り取ると「夬」となります。この「夬」という漢字は「削れる」という意味を持っています。削り取る力が「水」だからさんずいの「決」となるのです。つまり「決」という1字だけで「堤防が崩れる」という意味があるのです。「堤防のケッカイ」を「決壊」と書く理由はここにあります。

そして、「決定」という言葉も堤防に関係しています。
江戸時代以降、人々は洪水の度に、堤防の水漏れを防いだり、斜面崩壊を防いだりする水防活動を行ってきました。どこで切れるか分からない堤防で、村落共同体の人々は懸命に堤防を守っていました。その時、河川の洪水が急に低下したのです。
「どこかの堤防が切れたのだ!自分たちの村は助かった!」
どこで切れるか分からなかった決壊場所が決まったのです。つまり「決定」したのです。堤防が切れなかった地域の人々は、万歳をして喜んだと伝わっています。

この堤防の本質を知れば、治水の原則が明らかとなっていきます。
治水の原則は、地下に大蛇を抱えた堤防の水圧を少なくすることです。つまり、治水の原則は「1cmでも10cmでも、洪水の水位を低くする」ことなのです。
洪水の水位を低くするためには、河幅を拡幅する、河床を浚渫する、放水路を造る、上流で遊水池を造る、ダムを建設することです。

気象が狂暴化していく未来、この治水への努力は日本文明の存続のための宿命となっているのです。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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– JWFファンド2018 採用団体が決定しました!

JWFファンドは、日本水フォーラム会員の皆様からの会費や、一般の皆様からの寄付により運営されています。
途上国において草の根レベルで水問題の解決に取り組む団体を支援する活動で、2005年の開始以降本年で14年目となります。
2018年度の募集では、41カ国から408件の応募がありました。選考の結果、本年度は5カ国7件のプロジェクトに対し支援を実施することを決定しました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2018/0919/?p=9995

(報告者:マネージャー 郡司晃江)

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・日本水フォーラムからの報告

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– ストックホルム世界水週間での取り組み

ストックホルム世界水週間2018(主催:ストックホルム国際水研究所、期間:8月26日~31日、場所:ストックホルム)は、国際的な水課題について、専門家、政策意思決定者、民間企業、若手専門家、NGO等が一同に会し議論を行う国際会議です。今年は、133カ国から約3,600名が集い、「水、生態系と人間開発」をテーマに約300のセッションが開催されました。日本水フォーラムは、日本のNGO、またアジア・太平洋水フォーラム(APWF)とノーザン・ウォーター・ネットワーク(NoWNET)の事務局として、この会議に参加し、セッション主催や展示を通じて、情報収集・発信、ネットワーキングを行いました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apwf/2018/0918/?p=9985

(報告者:マネージャー 石原小枝)

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– ストックホルム世界水週間におけるNoWNETメンバー会合の開催

会合には、NoWNETに加盟する9機関の担当者が集まり、各機関の現況や今後の活動予定、共同で行う活動の目的や情報発信の機会等について情報交換や議論を行いました。JWFは、議論の結果を踏まえ、メンバー機関と協力しながら、水の観点での気候変動適応策について、特に民間セクターの取り組みに着目して、各国の知見の共有を図ると共に、12月に開催されるCOP24への参加に向けた準備を進めていきます。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/transmitting_japanese/nownet/2018/0918/?p=10045

(報告者:マネージャー 石原小枝)

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・採用情報

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-アシスタント・マネージャー募集

現在日本水フォーラムでは、アシスタント・マネージャーを募集しております。
日本水フォーラムのミッションとビジョンを理解し、地球上の水問題解決に貢献したいという、強い意志をお持ちの方のご応募をお待ちしています。
ご質問等、お気軽にE-mail (recruit[at]waterforum.jp)またはお電話にてお問い合わせ下さい。
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

▼募集内容の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/recruit/2018/0625/?p=4234?tag=jp,rep_jp

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた活動を行っております。
日本水フォーラムの活動を支援していただける会員を募集しております。
水問題解決に向けた持続可能な取組みを行うために、皆様の温かいご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

▼会員募集の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/

日本水フォーラムは、国内外の水問題解決に向けて分野問わず幅広い方々と協働で活動を展開しています。
日本水フォーラムの活動にご協力いただける方、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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・掲示板コーナー

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【第11回水道技術国際シンポジウム】
主催:第11回水道技術国際シンポジウム実行委員会
日時:2019年7月9日(火)~11日(木)
場所:パシフィコ横浜 会議センター
https://water2019.jp

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▼過去のJWF Newsはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/newsletter

※掲示板への掲載希望、JWF News配信停止・変更、その他ご意見・ご要望は、下記アドレスまで

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JWF News Vol.167 平成30年9月19日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: https://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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